『在日徒然抄』 (7) 鄭 煥麒 名誉顧問
   
ざいにちつれづれしょう
在日徒然抄
河出書房新社
初版発行
2002年 10月10日
インターネットが結ぶ縁

距離や時間を超え、世界のあらゆる情報を瞬時に処理するインターネットの急速な普及は、
従来の社会の構造を根本から変えるだろう。

昨年の世界のインターネットの人口は1億6000万人。商品の注文、管理、旅行の手配、株の売買、
病院の患者のデータ保存など、コンピュータは私どもの生活に深く入り込んでいる。今や社会の各分野に広がり、
すべてがグローバル化した。

パソコン、インターネット、IT(情報技術)・・・・・、マウスやキーボードを巧みにこなす若者、しかし中高年は
その操作に戸惑っている。

4月29日、NHKのテレビ放映で、錦鯉の産地ではバルブがはじけ売上が激減したのでインターネットを利用し、
海外に販路を求めた結果、売上の8割を輸出することができたという。

韓国では、インターネットの利用者が2000万人に達し、日本をはるかにしのぐ普及率である。携帯電話加入者は4月現在、
2750万人を超えた。

全人口数4700万人中、58パーセントに達する。携帯電話からネットに接続する端末の台数は、
2000年末には340万人になるという。韓国人は「米国に次ぐ情報革命先進国」と自負している。

20紀末、韓国のベンチャー企業は6500を越え、毎月500社が起業している。
ともあれ、いつの間にかインターネットなしでは社会生活ができないシステムになった。

2年まえ、ソウルでかって外交官であったY氏に会った。彼は私に「インターネットのおかげで娘が自力で相手を選び、
今秋、結婚することになった。これで親の務めを果たさなくて済み、こんな嬉しいことはない」と言って喜んでいた。

当時、私自身インターネットの知識など皆無に等しく、ましてインターネットで恋愛をし結婚をするなど、
想像もつかないことだったが、現実に一組のカップルが誕生したのだ。
だが、あくまでも偶然な出来事であったと思う。ところが・・・・・