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 97年の9月2日から7日まで、私は「右手血管腫」摘出手術のため、入院してました。

 さすがにあんまり経験の無いことなんで、せっかくだからと体験記を書いてみました。あんまり大した事無かったけど。
 ……って、大した事が起こっても困るけど。
 注・病室に時計が無く、私も時計を持っていかなかったため、文中の時間表記はおおよそのものです。
9月2日 9月3日 9月4日 9月5日 9月6日 9月7日 おまけ

 9月2日

10:00
 予約時間ぎりぎりに、入院受け付けに到着。ちょっと冷や汗もの。
 手続き後、担当の看護婦さんに、私が入る8階の病棟を案内してもらう。その際体重と身長を測る。で、いよいよ病室へ……あれ?
「あの、大部屋でってお願いしたんですけど」
「済みません、ベットの空きが無くって……」
 出た。いきなり「病院側の都合」という奴である。どうやら料金は割り引かれるらしいが(当たり前だ!!)、「詳しい事は婦長が後で参りますから」だそうな。まあ、物理的に部屋が空いてないんじゃ仕方がないわなあ。
10:30
 書類に生活習慣やら何やら、色々書かされる。さらに看護婦さん(さっきの人とは別)から詳しい質問。一通り終わると今度は個室の設備の説明を受ける。個室には専用電話もついていて、これで友人たちとの連絡も取れるなーと密かに喜ぶ。
 ……と思ってたら、今度は婦長が登場。
「夕方には大部屋の方に移動出来ますから、あんまり荷物を広げないで下さい
 おいおいおい! そんな話、初耳だよ!! 大体、もう荷物広げちゃった後だっての。おまけに実家に個室の電話番号言っちゃったし。あらかじめ言っといてくれよう。
 結局、一度広げた荷物をしまって、あとはひたすらじっと待つ。殆ど監禁状態。いきなり前途多難だなあ……
12:00
 最初の食事が届く。さっき書いた書類の「常食」の項目を「米飯食」にしたので、やって来たのはご飯とお吸い物、おかずが三品。おかずの内容は白身魚の粕漬け焼き、しめじとタマネギの卵とじ、キャベツとキュウリと大豆のマヨネーズあえ。いかにも病院食という感じ。おまけにどれもこれも味がアレである。どーしよーもないことながら、しばし閉口。
15:00
 個室から大部屋に移動。それもベットごと。……なんで?
 昼過ぎという中途半端な時間だったので、病室の人に自己紹介するタイミングを失う。何となく後ろめたい気がしながらも、機会を伺う。
16:00
 明日の手術の、担当看護婦が来る。麻酔のこと、予定の時間、午後の予定のため昼食は食べられないこと(麻酔で気持ち悪くなって、戻してしまう人がたまにいるかららしい)など、説明を受ける。
 CDを聞いていたせいか、最後に「CDを持っていけば手術室でかけられますよ」と言ってくれた。この時、中野テルヲの「USER UNKNOWN」をかけることを思いつく。
18:00
 夕食が来た。さっきは個室のため看護婦さんが室内まで持ってきてくれたが、大部屋では自分の分を台車(と言っていいのだろうか? 90人分くらいの食事を乗せて運べる、縦・奥1.2m、横2mくらいの大きな4輪車である)まで取りに行かなくてはならない。このとき同室の方に私のトレイを見つけてもらい、これがきっかけでようやく挨拶を交わす。
 そのまま、同室の方と話しながら食事をとる。大部屋は6人部屋になっていて、還暦の方が一人いる他はみな20代ばかり。平均年齢が俺よりわずかに上。
 夕食はすき焼き、カブと茗荷の浅漬け、バナナ、しじみ汁。まあまあの味。
 食後に7:00頃まで本を読んだ後、煙草を喫いに1階へ。ちょっと面倒くさいけど仕方が無い。喫煙量が減るかな?
21:00
 うとうと、居眠りする。でも看護婦さんが見回りに来たり、明日の手術の予定の変更を伝えに来たりしてそのうち目が冴えてしまった。
 予定変更にはちょっと慌てた。最初に午後の予定と聞いていたので、明日の朝になってからシャワーに入ろうと思っていたのだ。そんな時間が取れるかどうか分からないし、折り良くシャワー室が空いていたのでさっさと入って済ませてしまう。殆どカラスの行水だが、どうせ今朝、家を出る前に風呂に入ってきたんだから構うまい。
 シャワー室で左足の太股の毛を剃る。何故だか知らないが、手術の時ここにシールを貼るから、剥がす時痛くないように剃っておいてくれという指導があったのだ。何のためのシールなのかはいまいち不明。

 9月3日

6:00
 起きる。あんまり良く眠れなかった感じ。夜中何度か目が覚めたし、やっぱりベッドが変わるとちょっと寝にくい。
 昨日渡されたパジャマに着替える。昨日のパジャマは上下別になっていたが、今日のはそのまま手術に使うらしく、浴衣のようなタイプ。
 午前中に手術のため、朝食は無し。
8:30
 本屋が開く時間を待って、1階に下りる。水曜日なのでサンデーと、手術に必要なT字帯を購入。T字帯と言っても何のことはない、ただのふんどしである。手術の時は下着を脱いで、これを履かなくてはならない。……俺、右掌だけの手術なんだけどなあ(^_^;)
9:00
 隣のベッドの方が無事退院。玄関までお見送りする。
 これに前後して、T字帯を着用。パジャマも前後を逆にして着直す。何だかいかにも大袈裟である。
10:00
 10時になる前に呼ばれる。病室の前に移動用の小さなベッドがすでに用意してあり、それに乗せられる。……おいおいおい! これじゃ俺、本当に重病人みたいじゃないか!(^_^;)
 結局手術病棟までそのまま運ばれる。手術室の手前の部屋で、別のベッドに移る。頭に帽子(別名シャンプーハット(^_^;))を被らされ、そのベッドのまま手術室に入る。
 ドラマなんかによく出てくる、例のでっかいライトの真下に来る。左右に腕を置くための小さなテーブルが取り付けられ、心電図のための計測器と一定時間を置いて自動的に測る血圧計が身体につけられる。血圧計なんか、最初左腕に巻かれるはずだったのが、「こっちは点滴うつから」という理由でなんと左足首につけられた。そんなもんなのか?(^_^;)
 看護婦さんに、持参した「USER UNKNOWN」を渡すと早速かけてくれた。手術室中に響く中野テルヲの歌声。いきなり「これ、なんのCD?」と怪訝な声で聞かれる(^_^;)。
 少しばかり緊張しているはずなのだが、予想通り「落ち着いている」と言われる。昔から、こーゆー時になると私は落ち着いているように見られるらしい。
 いきなり顔と右腕の間に衝立てが出来て、右手が全く見えなくなる。やたらめったら大量の消毒液で右腕の肘から先を(おそらく)丁寧に消毒。
 それから、右掌の上でなにやら細いものがぐりぐりと押し付けられた。この感じだと、どうやらメスで切るところをマーキングしているようだ。どれぐらいの範囲なのか、感覚だけではちょっとわからない。
 次いで麻酔が打たれる。最初の一本が強烈に痛かったが、この麻酔がすぐに回ったおかげで、二本目からは痛みは全く無かった。
 しばらくして医師が「これ、痛いですか?」と言いながらひとさし指をちょんちょんと突つく。
「何か触ってるのは解りますが、痛くはないです」
「はい、大丈夫ですね。痛かったら麻酔を足しますから、我慢しないで言って下さい」
 その後すぐに、医師達が「お願いします」とか何とかぼそぼそ言ったかと思うと、右掌に何かが押し付けられた。どうやら、手術が始まったらしい。
 切開と切除、縫合はものの10分もしないうちに終わってしまった。移動や準備にかかった時間の方が遥かに長い。心電図や血圧計なども外され、点滴もつけたまま移動用のベッドに再び乗り換え、病室まで戻る。
 さすがに病室に戻ると点滴は外されたが、針の方は左腕に固定されたまま残っている。針から30センチくらいのところでアダプターが付いていて、点滴をしない時はこのアダプターをロックするだけですむようになっていて、いちいち針を付けたり取ったりするという手間がかからないようになっているのである。以前、点滴を受けた時はこんなもん無かったのになあ。って、10年以上も昔の事と比較しちゃいかんな。
 それはそうと、これ、いつまでつけてんの?(後注・退院の前日までである)
 看護婦さんが、昼食までの繋ぎに食パンとマーガリン、ジャムを持ってきてくれる。それを食べながら(腹が減っていたのだ)、右手をなるべく心臓よりも上にしておくこと、「握る」動作をなるべくしないこと、この2点に気をつければあとは特に問題ない、という説明をうける。
 実家に、手術が無事終わったと電話を入れる。
12:00
 待ちに待った昼食。ミートスパゲティにキュウリとトマトとキャベツのサラダ、ヨーグルト、わかめのお吸い物(スパゲティに何故?)。不味い。
〜17:00
 何となく眠くなってきたので、半日寝こける。途中医師がやって来て、術後の診察を受ける。最初入院の期間が一週間になりかけるが、「いや、そんなに要らないな」ということでどうにか術後4日で納まった。やれやれ。でも、何でそんなに入院しなくちゃならんの?(後注・術後3日間の点滴が必要だからである)
17:30
 夕食が来る前に喫煙所へ。しばし一服。同室のS氏からいろいろ病院の話を伺う。
「病院ってのは、どうも『やる気』を吸い取られる場所なんですよねえ」
 長くいると(注・8階は私のような形成外科のほかに、皮膚科なども入っている。皮膚は形成に比べ当然ながら治療期間が長くなる)、病院の裏が色々と見えてきて大変なようだ。
18:00
 今日の夕食は焼き魚、カボチャ、こふき芋、青菜ともやしの醤油和えに白味噌の味噌汁(以後、味噌汁は全て白味噌である)。青菜の味付け以外はまあまあ良かった。
19:00
 ずうっと本を読んで過ごす。そろそろ麻酔が切れてきて、右手を動かすと傷口がちょっと痛くなる。
 煙草を一服。戻る途中で家の留守電をチェック。それから勝Pへ電話。退院が日曜日になったんで、wdmlに誰か見舞いに来てくれー!という伝言を頼む。
 病室に戻ると、サイドテーブルの上で点滴のビンが私の帰りを待っていた(^_^;)。一足先に点滴を受けていた、同室のO氏が脂汗を流しながら「痛いよぅ(泣)」と苦しんでいる。周りで色々話しかけて気を紛らわせているうちに何とか終了。
 今度は私の番。でもあんまり痛くない。何であんなに痛かったんだろ?

 9月4日

6:00
 看護婦さんに起こされる。体温と前日の便の回数をチェック。次いでお茶をもらう。毎食前、30分くらい前にお茶を入れてくれるのだ。
 夕べは昼寝をしすぎたせいか、なかなか寝つけずベッドの上でごろごろしていた。夜中に目覚めること数回。
7:00
 朝食。牛乳、もやしの味噌汁、あとは忘れた(^_^;)。病院食にもだんだん慣れてきてしまった。ヤバイかも。
 食後、しばらくベッドの上でごろごろする。看護婦さんがお絞りを持ってきて、体を拭く。その後同室の方達と煙草を喫いに行く。しばし雑談。
9:00
 点滴を受け、右手のガーゼを交換。この時初めて傷口を見る。長さ2センチ程度、七針縫われている。
 回診に来た医師から、退院後の処置について説明を受ける。2週間後、19日に抜糸の予定。それまでの間は1日1回の消毒をすること。また極端に傷口を水で濡らさなければいつも通りにしていて構わないとのこと。ガーゼや包帯も必要無くて、バンソウコウで充分らしい。
 この時、医師から「お母さんから電話があったよ」と聞かされる。こっぱずかしい……点滴が終わった後で早速実家に電話を入れる。
「緊急でもないのに電話すんな!」
 ついでに会社にも電話する。出られるのは月曜からと連絡。
12:00
 昼食が届くまでの間、うたた寝する。お茶が来たのにも気づかない。  昼食は鳥肉、青菜ともやしのソテー、マカロニ・キュウリ・ニンジンのマヨネーズ和え、白菜のおひたし、味噌汁。マヨネーズの濃い味つけが美味に思えてしまう……
13:00
 同室のO氏(昨日点滴で苦しんでた人とは別の人)からゲームボーイを借りて、「風来のシレン」をやってみる。なるほど、こりゃまるっきり「ローグ」だわい。それにちょっとストーリーで味付けしたって感じ。
14:00
 医師がもう一度回診に来た。消毒液を出してもらうことになる。この消毒液、一袋25ccずつ使い切りになっているのだが、もったいないので必要な分だけ使って封をして、冷蔵庫に入れておけば3日くらい保つそうなので、それでやりくりしてくれと言われる。
15:00
 看護婦さんが熱と血圧と脈を診に来た。首をゴキゴキゴキッと鳴らしたら、異様に受けた(^_^;)。
19:00
 ひたすら寝こける。気がついたら、テーブルの上に食事が乗っていた(^_^;)。
 夕食は五目飯に白身魚のマリネ、青菜のピーナツ和え、味噌汁。もう一品あったが忘れた。
 食後に一服。同質の方以外にも、他の部屋の人達と雑談。外の喫煙所で話していたのだが、雨が降ってきたので2階に上がって(ほんとは締め切りなのだが(^_^;))、底で更に1時間くらい話をする。色々な人がいて面白い。
 8階に戻ってきたら、廊下で会った看護婦さんに「あっっ、いた!」と言われる。点滴の時間を完全にすっぽかしていた(^_^;)。
20:30
 点滴終了。自宅の留守電を確認するも、何も無し。誰も見舞いに来る奴はいないのか(泣)。(後注・実は伝言を依頼した勝Pが、諸々の事情で私の伝言をメイリングリストにアップ出来なかっただけである)
 昼の間にTVカード(TVを見るためのプリペイドカード。20時間分1000円)を買っておいたので、久しぶりにTVを見る。巨人−阪神戦、3−3から巨人が勝ち越しタイムリー。腹が立ったのでチャンネルを変える。
22:00
 ニュースステーションを見る。相変わらずメインのニュースはダイアナ元皇太子妃の話ばっかり。おまけにイスラムの爆弾テロ。世の中は相変わらず暗い。
23:00
 ニュース終了後、消灯する。(今日も)なかなか寝つけない。

 9月5日

6:30
 朝の状態確認で看護婦さんに起こされる。でも二度寝(^_^;)。朝食の時間にまた起きる。
 朝食は鮭の切り身、大根とニンジンの煮物、もやしの味噌汁、牛乳。塩鮭ではなく生鮭のはずなのに、何故か不味い。
 食後の一服。皮膚科の人はつくづく大変だなーというお話をする。
8:30
 週一回のシーツ交換日である。お陰でベッドから追い出される(^_^;)。
 ちょうど本屋が開く時間なので、1階に下りてサターンマガジンとファミ通を購入、談話室で読みふける。ファミ通に、こないだのコスギ親子の一件が載っていた(^_^;)。
 気がつくと既に10時過ぎ。病室に戻るとまたもや点滴のビンが置いてあった。
 点滴を済ませてから一服する。
12:00
 昼食。カニ玉、もやしとニンジンとキュウリのサラダ、青菜とアサリのおひたし、わかめのお吸い物。青菜と一緒に剥き身のアサリが入ってるのが謎である。
 食後、この病室にいた男の子のお母さんが見えられた。みんな顔見知りのようだ。来週から再入院するとのこと。詳しくは書かないが、なかなかブラックな話で思わずこちらもブルーな気分。
13:00
 うっかり金庫の鍵(キーカード)を落としてしまう。探してみたもののやっぱり見つからない。1階の本屋で200円を払って、鍵をつけかえてもらう。間抜け……
18:00
 3時くらいからまたもやうたた寝。めっちゃくちゃ気持ちが良い。
 今日の夕食は鳥肉、春雨のサラダ、ぜんまい煮、味噌汁。春雨がいまいち。
21:00
「おどろき桃の木20世紀」を見る。ポル・ポト政権下の日本人妻の話。途中一瞬だけ見えた、ポル・ポト虐殺の被害に遭った人の、左右の形が全く違う顔が頭から離れない。
 終わり頃に煙草を喫うため1階に下りる。玄関が既に閉められてるので、この時間は屋内の喫煙所に行く。そこでの噂話を聞くとも無しに聞く。ヘンな患者の話。笑える。
22:00
 ニュースステーションを見る。トップニュースはいつも通りダイアナ元皇太子妃ネタ。いいかげんつまらん。
 横浜逆転負け。つまらん。

 9月6日

7:00
 朝食。今日は寝覚めが悪く、看護婦さんが朝の見回りに来た後二度寝したのだがまだ頭がすっきりしない。
 朝食はたいみそ、高野豆腐、白菜のおひたし、味噌汁、牛乳。ありていに言って不味い。
10:00
 食後しばらく読書しているが、眠くなったので寝る。最近、どーぶつのような生活振りである(^_^;)。
 途中看護婦さんがやって来て、おしぼりをくれた。背中だけ拭いてもらって、後は自分で拭く。……身体はあんまり汗かいてないから、それよりも頭をどうにかしたいなあ。
12:00
 寝てる間に昼食の時間になる。  久々に麺類。ヤキソバ、春巻、キュウリとニンジンともやしのサラダ、バナナ。どーでもいいが、なんでもかんでももやしが入ってんのな。
15:00
 食後しばらくの間読書、その後また昼寝。いい身分だわ。
 医師の回診で病名を聞いてみるが、病理検査の結果が出ないと解らないそうだ。
 何でも、再発する時は一週間くらいですぐ再発するらしい。出てこないことを祈るのみである。
16:30
 1階に煙草を喫いに行く。同室の方々が既にいた。しばらく雑談。何故だか途中で猥談になってしまう(^_^;)。
17:00
 TOTOスーパー陸上を見る。暇つぶしにはうってつけである。
 隣の病室の方が梨のおすそ分けをしてくれる。でも切り分けるものが無い。
18:00
 夕食。鮭フライとソース、ボイルキャベツ、青菜のおひたし、ひじき、春菊のお吸い物。今までで一番うまい。
 食べてる最中にブブカが5m60を飛ぶ。さっき貰った梨、どーしよう?
20:00
 世界陸上を見ながら点滴をする。これが最後の点滴である。  ところがこれがなかなか入っていかない。おかしいなーと思ってたら、チューブ内にでかい気泡が出来てて、完全に塞いでいたのである。気泡をチューブの上から押して細かく潰してやったらやっと入り始めた。いいのかおい。
 この時、ブブカが世界記録挑戦の3回目の試技を棄権。なめんな。
20:30
 点滴終了。ようやく点滴の針から開放される。
 最近の点滴の針ってプラスチック製なんだね。ちょっとやそっと曲がったところで全く問題ないみたい。小学校の頃に点滴した時、金属製の針が点滴中に折れて大騒ぎになった事があったけど、これなら大丈夫だわ。
21:30
 横浜−阪神戦を見るが、なかなか決着がつかず、いいかげん飽きたのでTVを消す。
 1階まで一服しに下りる。戻ってから荷物をまとめる。今日は早々に寝ることにしよう。

 9月7日

6:00
 夕べなかなか眠れず、看護婦さんの朝の回診も半寝惚けの状態。
7:00
 朝食。牛乳と卵そぼろ、キュウリ・ニンジン・もやしのサラダ、昆布の佃煮、味噌汁。最後の最後まで不味い。
 食後の一服に下りる。戻ってからさっさとジーンズとTシャツに着替える。
8:00
 同室のS氏が一足先に外出に出かける。玄関まで見送り。
 私はまだ最後の回診と、外来の予約票を貰わなくてはならない。もうしばらく待つ。
9:00
 まだ医師が来ない! 何をやっとんじゃあ!!(←早く帰りたくていらいらしている)
9:30
 ようやく医師がやってくる。ガーゼと包帯が取られ、水を弾くバンソウコウも貰う。
「これがはがれなきゃ、消毒もしなくていいよ
 ……そんなもんなの?
9:40
 無事、退院。やれやれ。


■おまけ■

9月19日

 抜糸のため、外来に行く。
 昼休み、敢えて昼食を食べず早めに病院に行って受付を済ませる。そのおかげか待ち時間はほとんど無く、さくさくっと診察室に入れた。せっかく持っていった「銀英伝」文庫版6巻も、あまり役には立たなかった。
 医師は傷痕を見るなり「あ、もう全然問題無いですね」
 で、抜糸。糸と言ってもかなり固い糸で、見た目は「細い針金」という感じ。糸を切るために結び目を持ち上げて鋏を入れる。ちょっと痛い。でもこれで終わりだと思えばさして問題ではない。すぐ終わるし。
 念の為バンソウコウをはって、処置はおしまい。
「じゃあ、病理検査の結果を……あれ?」
 カルテのファイルをぱらぱらとめくり始める医師。病理検査の結果が無いらしい。なんと入院病棟にあるというのだ。医師曰く
「いつも思うんだけど、向こうにあっても意味無いんだよなあ」
 全くだ。まあ、入院病棟と言っても同じ建物の中だし、内線電話で連絡してすぐに持ってきてくれるというので診察室の外で待つ。……文庫を広げて待つ。……待つ。……
 ………………
 いったいどれだけ待たせるんだっっ!?
「すみません、間違って違うところに持っていっちゃったみたいで……」
 しかもどうやら持っていった先が病理検査らしい。おいおい、検査結果を病理に持って行ってどーするっつーんだ。大体なんでこんなに時間がかかるんだ?
 いいかげん待ちくたびれた頃にようやく検査結果が届く。担当医と看護婦がやたらと謝ってくれたが、この二人には責任が無いんだから私もあんまり強く言えない。それより、どこのどいつが間違えたんだ。間違えた人にこそ謝って欲しいぞ。何か釈然としない。
 病理検査の説明を受ける。病名が「キャピタル(だったかな?)血管腫」と確定。要するに毛細血管の異常だったらしい。組織は全て取れていて、再発の心配はほとんど無し。やれやれ。
 結果の説明はほんの5分足らずで終わる。この5分間のために、1時間以上も待ったのか……
 最後に会計。今日の診察料の他に、入院・手術費の会計も済ませる。入院・手術・検査投薬・食事・その他、しめて35503円也。
 ちなみに今月(97年9月)からは医療保険制度の改訂(けして改"正"とは言いたくない)により、負担額が二割に引き上げられた。つまり、これが先月だったら食費を除いた30000円が半額になったということになる。うがががが。
 帰りがけ、ふと思い立って入院窓口の喫煙所に行ってみる。同室だった人が……いた(^_^;)。
 仕事を抜けて来ている上、無駄に時間を浪費させられたため、残念ながら病棟にお見舞いには行けず、たまたま一人だけ喫煙所にいたO氏と少しばかりの雑談をして、「行けなくてごめん(^_^;)」という伝言を託して病院を去る。

これにて全巻の終わり。



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