生みの親韓国、育ての親日本(1) 株式会社高電社 会長 高基秀

本日はお招きにあずかりまして、ありが とうございます。
日韓市民ネットワーク・なごやは一韓国人としていろいろな意味で感謝すべき会合であります。 
また韓国経友会は日頃大変尊敬している諸先生方で構成された歴史ある会であります。
こういう立派な皆様を前にお話する機会を与えてくださった後藤会長様と金龍鐘先生に先ずはお礼を申し上げお話に入りたいと思います。

最近はこのような形で、他人様の前でお話をする機会が増えました。
これも日本と韓国の関係が深まったことのひとつの表れだと感じております。
さて、主催者の方からご連絡をいただきましたときに、
今日のお話のタイトルを「生みの親、韓国、育ての親日本」と申し上げました。

これは私自身、日韓両国の皆さんからたくさんの恩恵をうけており、また両方にアイデンティティをおいている、ということを端的に申し上げたいからです。
「育ての親」という言葉の裏には恩義という意味合いも含んだ言葉であります。
日本での50年の生活の中で多くの日本の皆様や在日同胞の皆様にお礼の言葉を申し上げるよい機会だと思い僭越ながら講演のご依頼を引きうけました。

私は常日頃自分の人作りの源は生まれ故郷韓国済州島であり、人生の形成は大半が日本であると思っております。
故にその軸は日韓の架け橋に置くべきだと考えながら日々を送っています。

一市民のレベルで日韓のために出来ることを大言壮語することなく謙虚な態度で持続的にやっていこうと考え、工夫し、努めています。

故に今は両国のため有益な事は何か、求められているのは何かを日頃考える度合いが増えました。
人は60才を越すと還元の領域に入ったとある本で読んだこともあって今のような心境になりました。
また私共の職場には日本人や韓国人、中国人がおり、また時にはアメリカ人も参入して仕事をします。

こういう環境ですから、最近ではわたしは自分を韓国人だとか日本人とかでなく「アジア人」として定義したいと思っているほどです。

日本だの韓国だのではなく、アジアを一つの活動の場として生活もビジネスもまた思考も展開していくんだと考えております。
これが今の世の中のトレンドでもあり、また当社の経営戦略でもあるからです。
21世紀をアジアの時代として作りあげるためにも、今後日韓間の交流や協力はいっそう進んでいくし、 ま
たそうなっていかなければならないと言う運命的なものを、最近ひしひしと感じております。