今週の2冊

              Charlotte's Web  (既刊・洋書)

          英語で話す日本ビジネスQ&A (新刊・邦書)

    
Published Book Charlotte's Web

日本語版

Charlotte's Web
       日本版タイトル:シャーロットのおくりもの
                               著者 : E. B. White

  ネズミがアメリカの大都会で活躍する映画『Stuart Little』の原作を書いたE.B.Whiteの作品です。

  この本は、中学生の娘からすすめられて読みました。こどもっぽい表紙で、馬鹿にしていましたが、読み始めたら面白くて、通勤の行き帰りの2時間半で読みきってしまいました。

  ストーリーは、田舎の農場の納屋に暮らす子ブタのウィルバーが、クリスマスシーズンに、ハムやベーコンにされるのを恐れていると、クモのシャーロットがクモの糸で奇跡をおこして助けるというお話です。日常接する生き物たちの友情と、生きる価値について教えてくれます。使われている単語も表現も豊かで、英語の勉強にも、TOEIC500−800点位の人に最適だと思います。

 分類        : 物語
 こんな人に    : 童心に返って、虫や動物の気持ちになれる人に
 レベル       : TOEIC 500点以上
 英語、日本語比 : 100% : 0%
 読む場所     : 電車、子ども部屋
 辞書の必要度  : TOEIC 700点以下は必要
 アマゾン      : http://tinyurl.com/e86nc
Useful Expressions
IX. Wilbur's Boast

  A spider's web is stronger than it looks. Although it is made of this, delicate strands, the web is not easily broken. However, a web gets torn every day by the insects that kick around in it, and a spider must rebuild it when it gets full of holes. Charlotte liked to do her weaving during the late afternoon, and Fern liked to sit nearby and watch. One afternoon she heard a most interesting conversation and witnessed a strange event.

  "You have a awfully hairy legs, Charlotte," said Wilbur, as the spider busily worked at her task.

  "My legs are hairy for a good reason," replied Charlotte.

(日本語版「シャーロットのおくりもの」より
9.ウィルバーのじまん

  くもの巣は、見た目よりずっとじょうぶです。かぼそい糸でできていても、網はかんたんにはこわれません。けれども、かかった虫はバタバタあばれるので、まいにちのようにほころびができます。穴がたくさんあいた網は、あらたに糸をくりだして修繕しなければなりません。シャーロットは、午後の遅い時間に糸をつむぐのが好きで、ファーンは、そばにすわってそれをながめるのがすきでした。ある午後のこと、ファーンはとてもおもしろい会話をきき、ふしぎなできごとを目にしました。

  「きみの足は、すごく毛深いね、シャーロット」クモが忙しく働いているときに、ウィルバーはいいました。

  「わたしの足が毛深いのには、ちゃんと理由があるのよ」と、シャーロットはこたえました。

New Book 英語で話す日本ビジネスQ&A

英語で話す日本ビジネスQ&A
著者 : 米山 司理 Richard Nathan    2006年8月28日発刊

  講談社新書の対訳式の本で、左ページに日本語、右ページに英語という配置になっており、意味が解らない英文に対して、辞書をひくことなく、対応する日本語がすぐ読める様に工夫されています。

  今回取り上げられている話題は、以下の通りです。

Chapter1 日本の会社のあれこれ Corporate Japan
Chapter2 日本ビジネスのいま Japanese Business Today
Chapter3 日本の金融・証券のいま The Current State of Japan's Financial Market
Chapter4 日本のおもしろ会社 Exceptional Japanese Companies
Chapter5 日本の会社の不思議 Strange Facts About Corporate Japan
Chapter6 日本で成功するには Succeeding in Japan
Chapter7 日本のサラリーマンPart1 Working in Corporate Japan: The Salaryman PART1
Chapter8 日本のサラリーマンPart2 Working in Corporate Japan: The Salaryman PART2
Chapter9 日本の会社に就職 Recruitment and Employment in Japan
Chapter10 日本の経営者 Management and Ownership in Japan

  是非、海外出張で活躍されるサラリーマンは一読して下さい。日本語を読むだけでもためになりますよ。新書サイズですから、気軽にかばんの中、ポケットに入れて持ち運びでき、辞書も要らないので、便利ですよ。気軽にどこでも読める一冊です。

 分類        : 英語対訳ビジネス書
 こんな人に    : ネイティブとの会話で日本の会社に関してよく質問を受ける人
 レベル       : TOEIC400点以上
 英語、日本語比 : 50% :50%
 読む場所     : 電車の中、オフィース
 辞書の必要度  : 必要なし
  アマゾン     : http://tinyurl.com/kna7j
Useful Expressions
P208
Question:
Why does Karoshi (death through overwork) happen?

「過労死」はなぜ起きるのですか?

Answer:
Japanese people have been mocked from overseas for being fanatical workers living in rabbit hutches. Housing has now improved and the number of hours of overtime worked has fallen. However, young salaried workers still die, occasionally, from overwork. Karoshi, death through overwork, has become a social problem.

Overwork leading to illness and death occasionally occurs in Europe and the United States as well. But Japan's Karoshi problem is very severe with sudden death occurring after long hours of work and cases of depression leading to suicide.

Karoshi became a problem in Japan in 1991 when, a 24-year old employee of a major advertising company committed suicide after working long hours until midnight consecutively over a number of days. His family sued the company and the judge presiding over the case at the Tokyo district court ruled that the abnormally long hours of work were the cause of death as Karoshi and ordered the company to pay 120 million yen in compensation.

Cases of Karoshi recognized by the courts are probably just the tip of the iceberg. There are thought to be many cases of death through overwork that are thought to be many cases of death through overwork that are not recognized as such and are treated as suicide, or death through natural causes.

It is often said that "work is a means towards enjoying life" and "work is work and play is play" but in reality in Japan many people cannot separate the two. They often work until their family life and health are sacrificed. Even if one does not want to devote oneself totally to the company, many organizations have a corporate atmosphere that makes it almost unavoidable.

At many companies it is not easy to take paid leave despite being entitled to it. This makes taking paid leave feel like a crime and creates a climate where people who take time off are viewed unfavorably by their colleagues and managers. Unless the corporate climate changes, it will be difficult to erase Karoshi from Japanese society.

日本人はかつて外国人から「ウサギ小屋に住む仕事狂」と揶揄されたことがありました。その後、住宅事情は改善され、残業時間も減っていますが、それでも働き過ぎで若いサラリーマンが死ぬことがときどきあり、「過労死」として社会問題になっています。

働きすぎて病気になって死ぬ、というのは欧米でもたまに起きるでしょうが、日本の過労死はもっと激しく、長時間労働の末に突然死したり、ウツ状態に追い込まれて自殺するケースです。

日本で過労死が問題になったのは、1991年、大手広告代理店の24歳の社員が連日深夜に及び長時間勤務の結果、自殺に追い込まれた事件がきっかけになりました。遺族の訴えに対し東京地方裁判所の裁判長は「常軌を逸した長時間労働が自殺の原因」として会社に約1億2000万円の損害賠償金の支払いを命じる判決を出し、最高裁でも過労死が認められました。

裁判などで過労死と認定されるのは氷山の一角です。過労が原因とみられても認定されず、自殺や「突然死」として扱われるケースは相当数に上るとみられます。

日本では「仕事は人生を楽しむ手段」とか、「仕事は仕事、遊びは遊び」と割り切れずに、家族や自分の健康を犠牲にしてまで働く「会社人間」が大勢います。会社人間になりたくなくても、そうならざるろ得ない雰囲気が日本の一部の会社にはあります。有給休暇でさえ自由に取れない会社が多いのです。

背景には休むことへの罪悪感と、休む人を快く思わない風土があります。こうした風土が変わらない限り、日本のサラリーマン社会から過労死をなくすのは難しいでしょう。

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 管理者の自己紹介:工学部系大学院を卒業。現在、化学メーカーに勤務の40代会社員。3年間のアメリカ赴任経験あり。