今週の3冊

                理科系のための英文法(新刊・邦書)

           Pooh and the Philosophers (洋書)

              APOLLO 13(洋画・DVD)

    

New Book 理科系のための英文法
理科系のための英文法
著者 :  志村 文夫  2006.1.5 発刊

  理科系の人のために書かれた本とのことで、例文等すべて技術者、研究者に関係する文章が用いられています。

  内容は、定冠詞・不定冠詞、関係代名詞、時制、能動態・受動態など、文法の基本について述べられています。

  既に海外に技術論文を数回投稿しているレベルの人には、基本的過ぎるかもしれませんが、これから技術論文を書かれる人、技術系の学生は、読んでおく、または、論文を書く際の参考書として、手元に置いておくことををおすすめします。

  取り上げられている英文のレベルは、下のUseful Expressionsを参考にしてみてください。

 分類        : 文法物
 こんな人に    : 理科系の人で文法を復習したい人
              技術論文を書くための初歩の初歩を学びたい人
 レベル       : TOEIC 400点以上
 英語、日本語比 : 30% : 70%
 読む場所     : 実験室
 辞書の必要度  : 必要なし
 アマゾン     :  http://tinyurl.com/rmltq
Useful Expressions
P28 定冠詞と不定冠詞
 【可算名詞】            【不可算名詞】
×semiconductor             silicon
  a semiconductor          ×a silicon
 semiconductors           ×silicons
 the semiconductor           the silicon
 the semiconductors         ×the silicons

P114 過去と現在完了
The machine was used for ten years.
(その機械は10年間使われた。いつだかはわからないが、10年間使われた。今は使われていない。)
The machine has been used for ten years.
(その機械は、10年間使われている。10年前の過去から現在まで使われ続けている。)

P120 "be going to to"による未来表現
We are going to start the project.
(「じきに」startする)
We will start the project.
(「そのうちに」startする)

We are going to get the parts today.
(部品がなくなりつつあることを知っていて、予定どおり、今日、調達しようとしている)
We will get the parts today.
(だれかに部品が不足していると言われて"we"が調達することになった)



Published Book Pooh and the Philosophers
日本語版
Pooh and the Philosophers
日本語タイトル : クマのプーさんの哲学
著者 : John Tyerman Williams

 1995年にイギリスで出版されたベストセラー作品。「クマのプーさん」はただ単なる子供の本ではなく、すべての西洋哲学が基本となっているというのが、著者Williamsの主張。

 プーさんのそれぞれの話が、プラトン、アリストテレス、デカルト、カント、サルトル、カミューなどの有名哲学者の思想と結び付けられて語られています。

 使用されている英語は、TOEIC700点あれば大意は理解できるかもしれませんが、内容(思想)は簡単には理解しにくいです。というか、自分なんか日本語版を読んでも、著者がいわんとしていることが理解出来ませんでした(もう少し学生時代に哲学者とその思想について勉強しておけば・・・)。

 ただ単にプーさんが好きだからという単純な理由で読み始めると、えらい目にあうのでご注意。

 分類        : 読み物
 ページ数     : 192ページ 
 こんな人に    : プーさんの話を知っていて、哲学者の名前と思想を
              理解している人に 
 レベル       : TOEIC 700点以上 + 哲学の知識
 英語、日本語比 : 100% : 0%
 読む場所     : リラックスして集中できる場所
 辞書の必要度  : TOEIC800点以下の人は必要か
Useful Expressions
2、Pooh and Ancient Greece
P32 Pooh and Plato's Banquet (the Symposium)

  Many readers have commented on the emphasis on food in the World of Pooh ; and not merely on food but on feasting. To Pooh and his friends, food is not just nutrition, not mere physical sustenance : it is, even on the superficial level, a giver of joy and, on some key occasions, of social warmth.

  Once we are alerted to the Platonic riches of our text, we cannot fail to connect this aspect with Plato's Symposium. Christopher Robin's party at the end of Winnie-the Pooh is the clearest parallel. Just as the drinking party Plato describes was given in honour of Agathon, because he had won the great drama competition, so our party was given in honour of Pooh Bear, because his courage and ingenuity had rescued Piglet from the flood.

(日本語版より)
2、プーさんと古代ギリシア
プーとプラトンの饗宴

  これまで多くの読者が、プーの世界に出てくる食べものの重要さについて意見を述べてきた、食べものだけでなくパーティーについても。プーとプーの仲間たちにとって、食べものはたんなる滋養でもなければ、肉体をささえるものでもない。それは表面的なレベルにおいてさえも喜びをあたえてくれるものであり、大切な場面では、世間のあたたかさをあたえてくれるものでもある。

  ぼくたちはすでに、この本にはプラトン的なもんがたくさんあると見てきたのだから、いまさらこれをプラトンの「饗宴」に結びつけられないというのはすまされない。プー物語の最後にクリストファー・ロビンがひらくパーティーは、どうみてもプラトンの饗宴の類似品だ。プラトンが劇の競演で優勝したアガトンを称えて酒宴をひらいたように、ぼくたちのパーティーはピグレットを洪水から救ったプーの勇気とアイデアを称えてひらかれた。

Published Book APOLLO 13 - DVD
APOLLO 13
監督 : ロン・ハワード

 アポロ11号が人類初の月面着陸を成功させたその9ヵ月後の1970年4月、アポロ13号が3度目の月面探索のために打ち上げられた。しかしながら、月に向かう途中でトラブルが発生。無事に地球に帰還できる確立はごくわずか。そんな状況のなかで、NASAの人々が全力をあげて宇宙飛行士を地球に帰還させるための懸命の努力が繰り広げられる。

 実際に起こった出来事をベースにしているので、思わずその時のことを思い出さずにはいられない。是非観ていただきたいお勧めの1作(ただ、ロマンス映画好きな人には受けないかもしれません)。

 英語は、専門用語がたくさん出てくるが、非常に聞き取りやすいアメリカ英語。下のUseful Expressionsにも載せましたが、エド・ハリス演じる指揮官ジーン・クランツの問題発生時のセリフはかっこいいので、映画を観て是非暗記してみてください(このセリフは、実際指揮官のジーン・クランツが本当に言ったとドキュメントに残っています)。

 また、同じくUseful Expressionsに載せましたが、The more 〜, the more 〜の構文と、dealの使い方も勉強しましょう。

 分類        : DVD ノンフィクション
 こんな人に    : 宇宙にあこがれる人、歴史的出来事を実感したい人
 レベル       : TOEIC 600点以上
 英語、日本語比 : 100% : 0%
 見る場所     : ラストシーンで人目を気にせず感動できる場所
 辞書の必要度  : 必要なし
Useful Expressions
トラブル発生後、NASA管制センター
エド・ハリス(Ed Harris)演ずるアポロ宇宙計画実行最高責任者ジーン・クランツの台詞
Okay, listen up. Quite down, people. Quite down! Quite down! Let's stay Cool, people.

Procedures, I need another computer up in the R.T.C.C. I want everybody to alert your support teams. Wake up anybody you need. Get them in here.

Let's work the problem, people. Let's not make things worse by guessin'.

よし、聞いてくれ。静かに、みんな、静まってくれ!みんな、落ち着こう。

進行担当、RTCCにコンピュータがもう一台必要だ。全員、サポートチームに緊急連絡をしてくれ。必要だと思う人間を起こせ。ここへつれてくるんだ。

問題を解決しよう、みんな。推測で事態と悪化させるな。


ヒューストン、NASA210号室、解決策を探る緊急ミーティングで 
ARTHUR: The more time we walk down here, the more juice they waste up there. I've been looking at the data for the past hour.

GENE: That's the deal?

ARTHUR: That's the deal.

アーサー: ここで議論に時間を費やせば費やすだけ、宇宙の彼らは電力を無駄にします。
        さっき1時間かけてデータを検討したんです。

指揮官ジーン: それが結論なのか。

アーサー: それが結論です。



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 管理者の自己紹介:工学部系大学院を卒業。現在、化学メーカーに勤務の40代会社員。3年間のアメリカ赴任経験あり。