00年7月22日の小噺
とある国の偉い人のお話です。
その偉い人は失言癖があり、側近の人達はとても心配していました。
しかも今度はアメリカの大統領に会うと言います。何か失礼なことを言わないかとみんながやきもきしています。
そこで側近は、偉い人に何度も何度も噛んで含めるように教えました。
「いいですか、お会いしたらまず最初に『How are you?』と話して下さい。そうしたら大統領は『I`m fine thank you, and you?』と聞き返してきますから、そうしたら『Me too.』と答えて下さい。
あとは通訳が話しますから、これだけしっかり覚えて下さい」
なるほど、中学生1年生レベルの英会話ですね。これならいくらなんでも覚えられるでしょう。
さて当日です。偉い人は大統領と会って、開口一番こう話し掛けました。
「Who are you?」(あなたは誰ですか?)
……これだけでも相手が短気だったら国際問題になりかねない一言です。でもそこはそれさすがはアメリカ大統領。
「I`m Hillary's husband.」(私はヒラリーの夫です)
なるほど、アメリカンジョークですね。切り返しとしてはまあまあじゃないですか。
……ところが偉い人、大統領が気を利かせたのに気がついていません。練習した通りに答えました。
「Me too.」(私もです)
まだ戦争は起きていないようです。
良かったですね。