また中原街道の地下に多摩川へ通ずる放水路が作られ、増水した水の一部はそちらを通って流れるようになった。
なお、神田川では川沿いに建物が密集して川幅を拡張できないので、川に並行して走る道路の下に分水路(高田馬場・江戸川橋・水道橋・お茶の水の4分水路)が作られ、増水した水を捌いている。
川の断面積が格段に大きくなったことと放水路も完成したことが大きな理由と思われるが、最近では呑川による水害の話はあまり聞かなくなった。
しかし自然現象のことであるから、時間雨量が50ミリ以上になることも充分ありうる。行政に対しては更に高い目標の水害対策を期待すると共に、流域住民としても万一の水害に対する心構えをすることも必要だと考える。
今後の水害対策としては、川の流量をただ大きくすることだけを考えるのではなく水の本来持つ自然の循環サイクルとよく調和させた、いわゆる総合治水の見地から進めるべきであろう。
呑川をはじめ一般に最近の都市河川は、通常時は水がほとんど流れないのに、一度大雨が降ると短時間のうちに大量の水が川へ流れ込む傾向がある。そこで以前の川のように大雨が降ってもすぐ大量の水が川へ流れ込まないようにする方策はないものか。
そのため先ず考えられることは、川の上流域ではもっと保水や遊水に心掛け、以前のように降った雨は極力地面にしみ込ませたり溜めたりすることである。
そのような方策として、屋根に降った雨水を雨樋を通じて一旦地下に埋めた浸透ますを通してから下水道へ流すようにしたり、小まめに透水性舗装にしたりする工夫がなされている。