秋夕の食べ物にソンピョン(松餅)があります。ソンピョンを蒸すときに松葉を敷くので、このような名前になったといいます。新米の粉をお湯で溶き、餅を作った後、そこにごま、小豆、大豆、緑豆のようなものを包み、半月模様にして蒸します。満月の秋夕にこれを食べることで、1年間農業がうまく出来たことを感謝する気持ちを表すとのことです。
また、秋夕には里芋汁も食べます。韓国ではサトイモのことをトラン(토란)と呼びますが、これは「土(ト)」の中の「卵(ラン)から来ています。ソンピョンとサトイモ汁、そして果物はは祭祀の膳に必ず載せなければならないものです。ソンピョンは天の果実、果物は地上の果実、里芋は地中の果実を象徴するからです。
チュソクの代表的な踊りに、カンガンスルレがあります。これは全羅道、慶尚道でよく踊られるもので、女性が円陣を組んで「かごめかごめ」のように歌を歌いながら回っていきます。
農事を手伝った牛に感謝する行事もあります。むしろを二人でかぶり、牛の前足、後ろ足の役をして、牛の真似をして村内の家々を訪ね周ります。後ろには農楽隊がついています。牛が訪ねる家は、その年に農業を一生懸命行った家や、金持ちの家で、そこで鳴き真似をして、「腹減った」と言います。食べ物をもらうと、庭先で農楽隊と共に踊ります。
(参考:원영주著、 열두 달 세시 풍속)
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