ハイランド・パイプ(Great Highland Bagpipe)とその音楽

● 楽器について(ハイランド・パイプって何?)
・ スコットランドのハイランド地方(スコットランド北方の高地や島々)で伝統的に演奏されてきたバグパイプです。
・ バグパイプ(Bagpipes)とは読んで字のごとく、動物の皮で作った袋(バッグ)に、空気を吹き入れるパイプと、音を奏でるパイプを取り付けた楽器です。
・ 一時的にバッグに空気を溜めるため、息継ぎに関係なく演奏中は全く音が途切れないのがバグパイプの音色の最大の特徴です。
・ バグパイプは主にヨーロッパ〜北アフリカにかけて様々な種類のものがありますが、中でもハイランド・パイプはスコットランドの荒涼とした山岳地帯や島々の主に屋外で演奏されことを前提にしているため、他のバグパイプに比べても特に大きな音が出るようになっていて、人間が自分だけの力で演奏する楽器の中では最も大きな音を出す楽器でもあります。
・ ハイランド・パイプの場合、音を奏でるパイプはメロディーを奏でるために指穴が開いたチャンターと呼ばれるパイプと、常に同じ音を出し続けて伴奏するドローンパイプが3本の、合わせて4本です。
・ ハイランド・パイプの音楽は、音階的には日本の民謡と同じ5音階の曲が多く、そのため私たち日本人にも何故か懐かしい想いを感じさせるのではないでしょうか。

● 「Piobaireachd(ピーブロック)」について
・ ハイランド・パイプの演奏形態として一般的には複数のパイパーがドラムとともにマーチングバンド形式で行進しながら演奏するのがお馴染みですが、実はこの演奏形態はわずか150年程の歴史しかありません。
・この形式は19世紀、当時のビクトリア女王の命により、中世ヨーロッパに始まった鼓笛隊(こてきたい)「ファイフ(横笛)&ドラム」(西部劇に出てくるあれですね)に於けるファイフ(横笛)をハイランド・パイプに置き換える形で
始められたのがそもそもの始まりで、古い歴史のあるハイランド・パイプ本来の演奏形態ではありません。
・ ハイランド・パイプは、ピーブロック(Piobaireachd)と呼ばれる楽曲をソロ(1人)で演奏するのが本来の姿なのです。(piobaireachdを単純に訳すと“piping”という意味です。)
・ ピーブロックは、およそ15世紀〜18世紀のスコットランドに於いてハイランド・パイプ独自の音楽形式として高度に発展したもので、その内容は主に「人の死を悼んだ曲」「戦果を称える曲」「人の誕生を祝う曲」「自然の情景を描いた曲」などです。
・ この楽曲の形式はテーマとなるメロディーを演奏した後に、テーマ・メロディーを徐々に複雑に変奏しながら演奏し、最後に再びテーマメロディーに戻るというもので、1曲の演奏時間はおよそ10分〜15分程度ですが、長い曲では20分を超すものもあります。

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