パイパー森の音のある暮らし《2006年6月》
2006/6/18
(日)

CoP の IT 革命

 CoP のオンライン・ショップ・システムのここ2、3年の混乱ぶりは酷いものでした。最近はやっと修復されたようで、注文の最終画面でいきなりシャットダウンすることはなくなりましたが、未だに以前のような注文確認メールは来ません。ただし、注文した品物はなんとか無事に届くのでそれで良しとしましょう。
 しかし、その一方で、オンラインならではの利点を活かしたサイト自体のシステムの充実ぶりは、最近とみに目覚ましいものがあります。


 その一つ、ストリーミング・ラジオのページ CoP Radio では月替わりで1時間程の番組が放送されていて、その中で毎月のようにピーブロックの貴重な音源を聴く事が出来ます。

 例えば、今月(2006年6月)は、まず最初に、以前にこのコーナーで紹介したあの Barnaby Brown が自主制作した野外録音による音源から、彼が Campbell Canntaireachd を読み解いて復元した“Piobaireachd aon Chnocan”という曲を聴くことができます。大西洋の荒波の音をバックに、洞窟に反響する古式ゆかしきハイランドパイプの音色は、誰もが一度聴いたら決して忘れる事が出来ないでしょう。

 これに続いて Finlay Johnston という若者の演奏で“Lament for the Donald of Laggan”が1曲通して放送されるのも嬉しいところ。この名曲のコレクションに新たな音源が加わりました。

 そして、今月の音源でパイパー森にとって最も興奮させられたのが、アーカイブからの音源で、78回転のレコードに収められていたという、あの Masters たる Brown & Nicol の師匠である John MacDonald of Inverness の演奏する“Lament for the Children”(Urlar のみですが…)でした。
 この人が亡くなったのは1953年ですから、確実に半世紀以上前の音源のはずですが、最近のデジタル処理のお陰なのでしょうか、想像以上にクリアな音にびっくり。なんとも貴重な音源です。


 さて、最近はこの CoP Radio に加えて、 PT Extra というページで、Piping Times の記事に関連した音源や映像が配信されるようになったことも画期的です。
 Piping Times のレポートの中には様々な楽譜が出てくることは度々ですが、いわゆる音楽的素養が全く欠如しているパイパー森にとっては、いくら楽譜が出て来ても、実際の音を聴かずに楽譜を読むだけで音符どおりに正しく表現するというのは、実は簡単なことではないのです。ですから、紙面に出ている楽譜をきちんと演奏した音源がそのままストリーミング配信されるというのは、私にとってはなによりの大きなメリットです。

 今日現在、最新の音源として配信されているのは、 Vol.58 No.8(つまり先月号)“Lament for the Departure of King James ”の記事に出ていた楽譜の演奏。このスコアは、現存する最も古いピーブロック集の一つである、18世紀半ばの Donald MacDonald の楽譜集に収められているものですが、これなどは、実際の演奏音源を聴かなくては、レポ−トの中身がイマイチ理解しづらいというもので、この音源がなければ意味不明のままに読み飛ばしてしまうところでした。


 Robert Wallace が編集長になってから、ピーブロック関連の記事が極端に少なくなって、Piping Times に対する不満が高まっていたところでしたが、このようにインターネットの最新トレンドを積極的に導入して、50年余りの歴史あるこの雑誌を、マルチメディアを駆使して活性化するという路線については、大いにエールを送りたいと思います。

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