パイパー森の音のある暮らし《2006年4月》
2006/4/30
(日)

PIPING TODAY

 The National Piping Centre の発行する隔月刊の機関誌“PIPING TODAY”Piping Links のページで書いたとおり、「大判でビジュアル、そしてインタビュー記事が多い紙面は現地の雰囲気が良く伝わる/GHBに限らず多様なバグパイプに関する記事も多く楽しめる」というのは確かですが、その実、「どの記事も中身が薄くて、読後に強く印象が残る記事に出会ったことが無い」というのが率直な印象でした。毎回、写真を中心にざっと目を通したところで「殆ど読むところが無いな〜」という思いを抱いたまま本棚に直行させていました。特にピーブロックについては然りで、正直な気持ち、購読更新の度に「もう止めようか?」と毎回逡巡するのが常でした。


 ところが、今年3月に届いた No.20 にはビックリ。実に読みごたえのある記事が、それも複数掲載されていたのです。

 まず、巻頭のトップ記事として、19世紀半ばの著名な Publisher & Pipe-Maker である Donald MacDonald(1767-1840)が製作し、Waterloo の戦いの際に演奏されたといわれるチャンターのレプリカに関する記事。
 レプリカ製作の経過や実際に演奏してみた際の古式ゆかしき音色などについてのレポートです。詳しい内容は書ききれませんが、締めくくりの次の一文が泣かせます。実際に音色を聴いてみたいものです。
 “Playing piobaireachd on the Donald MacDonald chanter and playing piobaireachd on a modern chanter are like night and day, the difference between a glass of fine red wine and a suck of cheap plonk.”

 そして、それに続く記事として、やはり同じ様な19世紀の Publisher & Pipe-Maker である William Gunn(1789-1867)の生涯と、彼が残したさまざまな楽譜集や楽器に関する詳細なレポートです。これもまた一読の価値有り。
 いや〜、このような記事はこれまで“Piping Times”でしかお目にかかれなかったものです。というか、かえって最近の“Piping Times”ではあまりお目にかかれなくなっています。

 それに続くのが、Angus J. MacLellan さんによる昨年秋の“The Glenfiddich Piping Championship”のレポートで、これは同じく Angus J. による同様のレポートが“Piping Times”にも掲載されていたので別に目新しくはありませんが、こちらの方が写真が大きくて目を引きます。


 そして、今回の号で最も印象的だった記事は、フランスはオルレアン在住の女性(60才のおばさん)パイパー Anne Lore さんとその活動に関する記事です。
 この女性は彼の地で長年に渡りピーブロックの布教(?)に務めてきたとのこと。記事の最初に掲げられているのは、彼女がブルターニュの海岸でピーブロックの演奏を録音した際に撮られた写真。岸辺に立てられたマイクスタンドの前で演奏する彼女の姿が非常に印象的です。
 レポート本文では彼女のパイプとの出会いからこれまでに歩んで来たパイピングライフについて詳しく紹介されていますが、興味を惹いたのは、最近、彼女は自分が率いているフルーティスト、ギタリスト、ハ−パーなどを擁した Dihun Keltique というグループとして、ピーブロックだけをテーマにして製作したというCDです。

 しかし、なによりも私が感銘を受けたのは所々に引用されている彼女自身のピーブロックに対する想いを述べた言葉です。
 それらの言葉に非常に強く共感を覚えた私は、早速それらの言葉を「ピーブロック名言集」のページに収めさせてもらおうと、ネットで彼女のメアドを探し当てて、彼女の言葉に心から共感した事を伝えるとともに引用の許可、そしてCDの入手方法についてのメールで問い合わせました。
 メールは彼女個人のメアドとグループのものと思しき2ヶ所に送ったのですが、残念ながら1ヶ月待ってもどちらからも返事がきませんでした。

 仕方が無いのでそちらの方面は潔く諦め、改めて“PIPING TODAY” の編集責任者である Mike Paterson さんにメールを書いて Anne Lore さんの名言の引用の許可を求めることにしました。(版権ということでは本来はこちらこそが本来の許可権者でしょうが、私としては Anne Lore さんにとにかく共感の気持ちを伝えたかった…。)
 幸いな事にこちらからは直ぐに返信があり、Anne Lore さんの言葉のピーブロック名言集への引用を快く許可してくれました。


 Anne Lore さんのピーブロックに対する想いを述べた熱い言葉、ぜひとも「ピーブロック名言集」で目を通してみて下さい。ピーブロック好きならば共感するところ大だと思います。

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