パイパー森の音のある暮らし《2006年2月》
2006/2/11
(土)

電子辞書はエライ!

 電子辞書を買い換えました。

 これまで使っていたものは数年前に買った英語専用のコンパクトタイプで英和と和英が1種類づつしか入っていないベーシックなもの。でも、両手で持つと上手い具合に左右の親指の動作範囲内に全てのキー(ボタン)が入るというコンパクトなサイズなので、親指を駆使して文字入力が極めて素早く出来るという利点があり、標準サイズの電子辞書に手を伸ばす気になかなかなりませんでした。

 しかし、いかんせん収録語彙数が余りにも少ないので、ちょっとでも難しい単語になると全く役に立たないというおバカな代物であることは紛れも無い事実。ハリー・ポッターを読む程度ならそれでも「まっ、いっか〜」ってな感じですが、寒さの厳しいこの冬は、部屋の奥まで差し込む日差しが心地よいリビングのソファーに座って Bridget MacKenzie “Piping Traditions of Argyll”といったピーブロックに関する本に目を通すような機会が多くなり、そうなると古いこの電子辞書のおバカさ加減にほとほと嫌気がさすようになってきました。


 新たに入手したのはカシオ EX-word シリーズの英語専門の標準サイズのもの。さすが英語専門のシリーズだけあって、共通装備される英和辞書は「リーダーズ英和辞典」「リーダーズプラス」(合計46万語/研究社)、「ジーニアス大英和」(25万5千語/大修館)、という具合にそれなりの語彙数を収めたものが入っています。ただ、悩ましいのは、英英辞書として「OED(Oxford English Dictionary)」が入っているのはシリーズの4グレードの中で一番値段が高いものに限られることです。OEDの入っていない下位3グレードの英英辞書は「ロングマン現代アメリカ英語辞典」というものに格下げされます。また、SDカードやCD-ROMのフォームで用意されている幾つかの追加コンテンツの中にもOEDは用意されていないのです。
 大いに悩んだ挙げ句、研究者でもあるまいし贅沢は止めてOEDは諦めました。ただ、もしかして将来的に追加コンテンツとしてOEDが用意されるようになった時のために、コンテンツが追加可能なタイプのものを選びました。

 さて、実際に使い始めてみても、膨大な語彙数を誇る2つの英和辞書は、これまで使っていたものとは桁違いに賢く、さらに、2種類の英和辞書で微妙に異なるそれぞれの訳語を参照することができるのはいたって便利です。
 一方、やはり大いに後悔した事には、ロングマンとやらいう英英辞書はハッキリ言っててんで使いものにならないということです。ちょっと混み入った言葉を2種類の英和辞書で調べてそれなりの訳語を確認した後、試しにこのロングマンで英語の意味を調べようとするのですが、「なんと、該当の語彙が無〜い!」ってなことが再三あるのです。アチャ〜ッ!こりゃダメだ〜ッ!
 どうせ、ネットショップで定価の半額以下で購入したのですから、もうちょっと奮発してやはりOEDの入ったものを買うべきでした。「安物買いの銭失い」を実感。


 でも、現実的には2種類の和英辞書の賢さに免じて「ま、いっか〜」と思い直して愛用しています。特に “Piping Traditions of Argyll”に散々出てくるスコットランド方言などについても、これらの2種類の英和辞書には丁寧に訳語が載っているのが嬉しくなります。
 中でも最近、特に重宝したのは、イギリスの貴族階級の称号に関する説明です。

 ピーブロックの中には、Earl of Seaforth's Salute、Marquis of Argyll's Salute、Lament for the Earl of Antrim、Lament for the Viscount of Dundee、Lament for The Laird of Annapool、The Duke of Atholl's Marchなどといった具合にタイトルに貴族の称号がでてくるものがよくあります。
 また、地方のクランにまつわる様々なストーリーが描かれている“Piping Traditions of Argyll”にも、当然のように貴族の称号を持った人の話が沢山出てきます。

 先日も、ある人物の名前に “peer”という言葉が冠されていたので、「凝視する」といったような意味しか知らなかったこの言葉について、新しい辞書で調べてみると、なんと「(英国の)貴族」という意味がある事を知りました。
 さらにここの訳の中に英国の貴族の爵位の順位は、Duke(公爵)→Marquis /Marquess(侯爵)→Earl(伯爵)→Viscount(子爵)→Baron(男爵)、であるという解説があり、英国の混み入った貴族の称号の順位がやっと理解できました。
 もちろん、現代ではネットでちょこっと検索すれば、このような疑問点について解説したページが山ほど出てくるの分かっていますが、迅速かつ簡単明瞭という点ではやはり座右の電子辞書の便利さにはかないません。


 そんな訳で、この新しい電子辞書が来て以来“Piping Traditions of Argyll”を読みふける時間がますます増え、およそ300ページのこの本も残すところあと50ページ程になりました。そして、読み進める程にピーブロックに関するさまざまな興味深いストーリーと沢山出会えるので、読む度に本当にワクワクさせられています。
 例えば、上でも名の出た、タイトルに爵位が出てくる
“Lament for the Earl of Antrim”まつわる話題。1月のこのコーナーで触れた昨年末に突然亡くなった Gordon Duncan の名演奏で忘れられない“MacDougall's Gathering”の由来となった、かつまた有名なパイプメイカーとしても有名な MacDougall 一族に関する話題。“Lachlan MacNeil Of Kintarbert's Fancy”の由来となっている MacNeil Campbell of Kintarbert 一族に関する話題などなどです。 

 でも、どうやら Brigdet MacKenzie さん、非常に好評な“Piping Tradition シリーズ”の3冊目に当たる“〜of Western Isles”という本を執筆中とのことですから、もたもたしていると、これらの興味深い話をパイプのかおりの記事として紹介する間もなく、次作の読書に没頭するようになるかもしれません。大体、彼女の処女作であり、興味深い話題がてんこ盛りだった“Piping Traditon of North of Scotland”について、これまで何も紹介できていませんものね…。

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