パイパー森の音のある暮らし《2006年1月》
2006/1/3
(火)

パイパー達に合掌

 正月の年賀状と相前後して届いた Piping Times 2006年1月号の表紙写真は Gordon Duncan の演奏風景でしたが、なんとその上に“Tragic Loss”の文字が重なっていました。
 「えっ?」と思いましたが、目次ページにある表紙写真の説明を読むと、懸念したとおりやはりこの若き有能なパイパーが先月、突然亡くなったとのこと。なんとまだ、41才の若さでした。


 Gordon Duncan はこれまで3枚のソロアルバムをリリースしていました。正統的に習得された正確無比かつ超絶な演奏技巧を持ち、伝統的な曲の演奏だけでなく、オリジナル曲の多彩さと完成度の高さに類い稀な非凡な才能を感じない人は居なかったはずです。

 また、3枚の内2枚のアルバムの中にはそれぞれ1曲づつのピーブロックも収録されています。その2曲というのは“MacDougall's Gathering”と“Massacre of Glencoe”で、共になかなかの名演奏。
 私のコレクションの中で、“MacDougall's Gathering” についてはこの他に、 Murray Henderson、Bill Livingstone、Angus MacDonald、といったそうそうたるパイパーの音源がありどれも名演奏ですが、中でもどれか一つだけを選べと言われたら、私は Gordon Duncan の音源を選びたいと思います。彼の終始ゆったりとテンポを保ち悠然とした演奏は他の巨匠たちの演奏に遜色なく堂々とした素晴らしいものなのです。
 また、1994年リリースのアルバム“Just for Seumas”に収められていた“Massacre of Glencoe”はというと、2002年にリリースされた Andrew Wright のアルバム“Canntaireachd and Piobaireachd”に収録されていたもう一つの音源が入手できるまで、スコットランド戦国史上で最も有名な出来事の一つであるこの事件を描いたピーブロックの唯一ともいえる音源として、非常に貴重な存在でした。

 Fred Morrison Dougie Pincock と共に、才能ある若手 Piper & Composer の一人として今後の活躍が益々期待されていたこの人の余りにも早すぎる死は、なんとも残念で仕方ありません。


 振り返ると、昨年後半には Thomas PearstonJohn Burgess という、私のパイピング人生の中で大きな位置を占める2人の偉大なパイパーが相次いでこの世を去りました。
 Donald MacPerson が80才を超えてまだまだあのように素晴らしい演奏を聴かせてくれるということからすれば、この二人、特に71才という若さ(?)で亡くなってしまった John Burgess には、これからもまだまだ素晴らしい演奏を聴かせて欲しかったと願うところです。 


 今年のパイプ吹き初めは、偉大なパイパー3人に合掌しつつ、心を込めて“Lament for the Children” を演奏しました。

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