パイパー森の音のある暮らし《2003年9月》
2003/9/18
(木)

プライベート・パイピングスポット

 今日は、とある場所にあるパイパー森のとっておきのパイピングスポットで演奏してきました。横浜のある農家の築100年を超すお屋敷の裏山です。
 横浜の農家とは言っても、決して住宅街の中ではありません。もちろん、目の前にまでは住宅街が迫っていますが、その見事に手入れされた自宅裏山に続いてのべにして100ha程の山が連なっていて他の民家は一切無いという、まさに奇跡のような場所なのです。

 なんともあきれるような1ヶ月遅れの真夏日が続いていますが、大きな木々の下、手入れの行き届いた裏山の高みに立って、吹き抜ける風を身体一杯に受けながらハイランド・パイプを演奏するのはなんとも清々しく、気持ちのよろしいものです。

 素晴らしい《音環境》を心ゆくまで堪能! 

 抜けるような青空に向かって“The Desperate Battle of the Birds”を演奏してきました。

 《音環境》についてはここを…。

2003/9/22
(月)

キルトの話

 常々悩まされていることなのですが、私の演奏を聴いていただいたり、あるいは単に私が趣味でハイランド・パイプを演奏しているということを知った時に、皆さんが決まって「例のあのなんとかいうスカート?を履くんでしょう?」とおっしゃるのにはホトホト困ってしまいます。

 …で、私は「キルトですか? そうですね、私はハイランド・パイプの《音楽》が好きなのであって、《衣装》には特に思い入れがある訳ではないので、キルトは着ません。持ってもいませんし…。」と答えます。

 すると、大抵の人は何か困ったような、そして、妙に残念そうな表情をされます。
 多くの人にとって、「ハイランド・パイプ⇒キルト⇒男がスカートを履く⇒ちょっと変わっている趣味」とでもいったようなステレオタイプが出来上がっているようなんですね。

 実は私だって、ハイランド・パイプを始めた当初、まだピーブロックに取り組むまでには至らなかった未熟な頃には、パイプバンドの一員として、キルト&アーミージャケット&プレード(肩に掛けるタータンの布)、そして、さらに格調が求められる時にはフェザーボンネット(ダチョウの羽で出来た大きな帽子)まで被った、正にフルドレスに身を包んで、様々なイベントで演奏してきた経験があります。

 でも、それって本当に私の趣味じゃなかったですね。一度はいやと言う程にさんざん経験したからこそ確信するんですが…。

 …ま、でも、どうしても一度は私のキルト姿を見てみたいっていう物好きな方もいらっしゃるようなので、20年以上前の写真をスキャナーで取り込み、「パイプのかおり第3話」の当時の話に触れている場所に挿入しておきました。
 私が、決してやらず嫌いでキルト&ジャケットを好まないと言う訳ではないという証拠です。


 う〜ん、それにしてもいつ見ても本当にゾッとしない格好ですよね。

 大体、私は根が反体制でへそ曲がりなので、他の人と同じ格好をさせられる《制服》というものに対して強度のアレルギーがあるのです。まして、それが軍服となると…。

 まあ、あのような軍服ではなくて、いわゆる背広タイプのデイジャケット&キルトという服装もありますが、それにしても、ネクタイを締めなくてはならない。ところが、実は私はこの首を締め付ける理不尽な紐にもどうしても馴染めないときている。
 第一、ただピーブロックを演奏しているだけで酸欠で陶酔してくるのに、そんな窮屈な格好をしていたら、本当に倒れてしまいます。

 ま、色々あって、私は今後も無理してキルト姿でハイランド・パイプを演奏する気はありません。

2003/9/23
(火)

キルト話の続き

 さて、では私が絶対的にキルト姿に惹かれないのか? というと、決してそういうことでは有りません。

例えば、ここに示したような、古式ゆかしきパイパーたちの姿には、率直に心惹かれてしまいます。
 ピーブロックという音楽が生まれた、まさにその時代の古(いにしえ)のパイパーたちの姿には…。

 そして、スコットランドには実際にそんな格好をして演奏している人がいるんですね。
 そして、右下の写真を見て頂ければ、私が岩手県の東和町の田瀬湖畔三浦半島での演奏の際に想い描いていたイメージが、直ぐにご理解いただけるのではないかと思います。

 さて、この写真の主の名は、Barnaby Brown

 実はこの人、単に格好だけではなくて、まさに↑左上の絵に描かれているような、18世紀に使われていたハイランド・パイプ(パイプの素材はもとより、今よりもキーが低い当時のチャンターのスケールまで)を復元した楽器を使って、さらにその当時のカンタラックで書かれた楽譜(つまり、文字だけで音符は使っていない)から、今では廃れてしまった曲を読み取って復元、そして自ら演奏している、という筋金入りの復刻主義者なのです。

 私は、彼のパイプを復元したパイプメーカー Julian Goodacre さんと、ローランドパイプのリードの件でメールでやり取りした際に彼通じてこの Barnaby Brown さんを紹介され、彼がスカイ島の海辺の洞窟の中で、波の音をバックにしながら、その古式ゆかしきハイランド・パイプを使って、古式ゆかしきピーブロックを数曲演奏している自主制作CDを送ってもらいました。

 このアルバムの事については、以前からパイプのかおりのページに書こうと思っているのですが、その余りの素晴らしさに書きたいことが多すぎて、かえってなかなか手が付かないっていうのが正直なところです。

(Barnaby Brown の演奏はこのアルバムでも聴く事が出来ます)

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