パイパー森の音のある暮らし《2003年6月》
2003/6/12(木)

レッド・ツェッペリンはなんとも凄い!

 待望のツェップの CD & DVD が届いた。

 「凄い! 生きてて良かった!」としか言い様が無い。

 ツェップの活動初期から後期までにわたる演奏風景をあんなにくっきりとした映像で観られるなんてまるで夢のようだ。そして、最盛期1972年の完璧なライブテイク…。(イントロに“LA Drone”っていう名を付けるところが泣かせるね〜)

 それにしてもジミー・ペイジってなんてかっこいいんだろう。ネブワース・フェスで汗を吹き飛ばしながら“Achiles Last Stand”の演奏に没頭している姿は神々しいまでに感動的だ。
 特に中盤のめくるめくギターソロを仰け反りながら弾きまくるその姿は、パイパーがクルンルアー・ア・マッハの高みで陶酔している姿とオーバーラップして、何度見ても涙がちょちょぎれそうになる。
 そして、あの“Kashmir”の壮大さ…。

 余りにも凄すぎる演奏ばかりで、どれがどうのって書くのは野暮だけど、ちょっと意外な発見が2つ程あったことについてだけ書いてみよう。


 一つは1975年のアールズコートでの“Bron-Yr-Aur Stomp”の演奏の中で、な、なんとボンゾが(ウッドの)スプーンズを演奏しているということ。
 1972年のカルフォルニアでのライブを収めたライブCD“How The West Was Won”に収められている同じ曲を聴いてみたら、ここでもなんとやはりスプーンズの音が聴こえる。

 1972年当時、あの界隈でスプーンズを演奏していたのはスティーライ・スパンのマディ・プライア位しか思い浮かばないので、ことによったら彼女から伝授されたのかもしれないな〜、なんてミーハーなことを想像して楽しくなった。

 それにしても、ボンゾのあの大きな身体にスプーンズってのはちょっと不釣り合いで笑えてしまう。やっぱりスプーンズってのはマディみたいなか細い女性にこそ似合うよね。


 もう一つは、1970年のロイヤル・アルバートホールでのライブでのペイジのギターソロによる“White Summer”という曲。

 この曲は、バート・ヤンシュの演奏するトラッドナンバー“Black Water Side”をペイジが大幅にアレンジしパロッて“Black Mountain Side”て名付けた曲を含むインスト・ナンバーなんだけど、これが凄い!
 だって、ところどころでボンゾのドラムスをバックに従えながらも、ダンエレクトロのエレキギター1本で12分間、聴かせちゃうんだもの。

 特に、後半でボンゾと一緒になってシタール&タブラの世界を完璧に再現した部分はまさに圧巻!

 確かツェップ本の中で読んだんだけど、世界中の様々な音楽に興味があるペイジは「当時のポップス界のだれよりも早く、シタールをインドから送ってもらっていた。」そうで「ラヴィ・シャンカールがファショナルブルになる何年も前から、彼を見に行っていた。」ということ。
 でも「早晩だれかがレコードで使うのが目に見えていたので、自分では一度もレコードでは使わなかった。何千年もかけて開発された楽器を単なるギミックとして使うことなんてとてもぼくにはできやしない。」と述べている。

 ペイジが言った通り、その後、ジョージ・ハリスンがビートルズのアルバム“リボルバー”の中でシタールを使ったのは御存知のとおり。

 …で、ギミックとしてシタールを使う事を良しとしなかった彼はこの“White Summer”というインストナンバーの中で、なんとエレキギターでシタールの音を表現しようとした訳だ。

 伝統楽器とその楽器が生み出して来た音楽を愛好はするけど、その楽器自体を安易に人前で演奏するようなことはせず、あくまでも自分の最も得意とするギターで表現しようとする、ペイジなりの伝統音楽に対する敬意の表し方に感じ入った次第。

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