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パイパー森の音のある暮らし《2003年1月》
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| 明けましておめでとうございます。
お正月休みに昔の文章をアップロードしました。マクリモン一族の栄枯盛衰について書いた Canntaireachd No.17 です。オリジナルの原稿を書いたのは1998年3月ですから、もうほぼ5年も前のことですが…。 さて、いよいよこれで紙媒体に書いていた Canntaireachd (の内、デジタルデータになっているもの)は全てです。ネタ切れって訳だ。そろそろ新しい文章(Canntaireachd の名に相応しい真面目なヤツね)を書き下ろさなくてはなりませんね。書きたいネタは沢山あるのですが、なかなか集中できなくていけません。ぐずぐずしている内に、老眼が進んで資料をおさらいするのが辛くなる。トホホ…、情けない。 ところで、今回アップしたマクリモン一族の物語はいかがでした? ピーブロックの歴史を知る上で、欠かす事の出来ない物語なんですが…。 といっても、こんなお話、一体誰が読むんですかね? 多分、一番の読者は私自身なんでしょうね。 大体、このような文章ってのはピーブロックフリークたるパイパー森が、ピーブロックに関する様々な資料に目を通して知り得た事実を、自分自身が忘れないようにまとめておくというのが一番の目的なんです。 なんせ、当然ですがそれらはみんな英語で書かれた資料なので、読んだその時には「へ〜、そうなんだ」って感心したとしても、しばらくすると一体どの資料のどこに書いてあったかが分からなくなってしまう。 ですから、これらの文章はまさに私自身にとっての備忘録って訳。 今回も、久しぶりに自分の文章を読みながら、遠い国での遠い昔の出来事に思いを馳せ、一人で悦に入っていました。 ところで、あの文章の最後は、まるでマクリモン一族が消え去ってしまったかのような印象を与えたかも知れませんが、それはあくまでもピーブロックという音楽に関する影響力に限ったこと。当然ですが、血のつながりとしてのマクリモン一族はその後も永々と続いた訳です。 …で、世はまさにインターネットの時代。“MacCrimmon”で検索するとこんなサイトがあるんです。 すごいですね〜。なんと世界中に散らばったマクリモンの末裔たち、616家族、1969人の消息が全てデータベース化されているんです。 もちろん、一族の歴史について書かれたセクションもありますが、私がさまざまな資料から読み取った以上には、特に目新しいことは書かれていませんでした。 …と言いたいところでしたが、なんと驚いたことに、Family Tree of Piping のページに目を通してみると、1825年に死去した Donald Ruadh 以来、途絶えていたクラン・マクロードの世襲パイパーの地位が、長いブランクの後にそれに続く第9代目として1942年〜1978年までの間、まさに正統なマクリモンの血を引く Malcolm Roderick MacCrimmon というパイパーによって受け継がれ、さらに1978年以降は第10代としてその息子である Iain Norman MacCrimmon によって引き継がれているというのです。 う〜ん、な、なんと、マクリモン・パイパーの伝統は現代に復活していたのです。 |
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| 今日はパイパー森がピーブロックという音楽に出会った日からちょうど30年目にあたる記念すべき日です。
その経過は「パイプのかおり」第3話のここに書いたとおり。 今では想像もできませんが、当時はFM放送ってのはNHK・FMとFM東京(その当時はまだFM東海といっていた頃かもしれませんが…)しかなかったんですよね。そして、そのNHK・FMで毎週火曜日の午後10時から、かの「世界の民族音楽」という名番組が放送されていた訳です。 その日は10時の時報に続いて、いきなりツウィードを紡ぐ女性たちのウォルキングソングが流れました。そして、そのままその音楽をバックにあの小泉文夫さんのやさしい声で「皆さん、ごきげんいかがですか? 小泉文夫です。今夜の世界の民族音楽は、今流れている音楽、ちょっと聴くとまるで日本のアイヌの民謡のように聴こえますが、実はこれはスコットランドのヘブリディーズ諸島の女性たちによる、糸紡ぎの歌なんですね。さあ、今日は皆さんと一緒にこのヘブリディーズ諸島の音楽を聴いていきましょう。」ってな感じで番組が始まりました。 いつ聴き直してみても、その晩のことがまるで昨日の事のように思い出されます。私がブリティッシュ・トラッドの道に足を踏み入れるようになったのも、偶然にラジオから流れて来たペンタングルを聴いたことがきっかけでしたし、ピーブロックという音楽にこだわるようになったのも、やはりラジオで聴いたこの晩の音楽がきっかけでした。現在のように様々なメディアを通じて、多くの情報が溢れんばかりに飛び交っている訳では無い時代だったからこそ、僅かな情報をつかみ取る鋭い感性だけがたよりだったのです。 その時に初めて聴いたピーブロック“MacGregor's Salute”は、その後、私の大事なレパートリーの一つとなり、演奏時間8分余りとピーブロックの中では比較的短かめの曲だということもあり、パイプを手にするたびに毎回のように演奏しますが、何度演奏しても飽きる事のない味わい深い曲です。 30年という年月はそれなりに長い時間でしょう。でも、私にとってピーブロックとの取り組みということから言うと、本当にあっという間でした。ピーブロックについてこれまで一体何ができたんだろう? 演奏の技術がどれほど上達したんだろう? 何曲のピーブロックを習得したんだろう? というように考えた時、それは本当に僅かな歩みでしかありません。 イアン・L・マッカイの言葉を引用するまでもなく、ピーブロックというのは偉大な奥深さを持った音楽だと思います。私もこれからの残された人生をかけてこの音楽を味わいあれこれ考察していきたいと思います。 もし、私が長生きの人生を歩むとしたら、これからさらに30年後もきっと同じような気持ちでいるような気がします。それほどにも、このピーブロックという音楽は奥が深いと思うのです。 |
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