のっけから取り込み直後の画像が無いので参考もクソも無いのだが、まあその辺りは個人の好みもあるので好きなようにやってほしい。俺自身はグレースケール化させておいてから「レベル補正」で白を強調・中間色を黒に寄せ、そのあとで白黒2値化させている。 ポイントは「可能な限り高い解像度でスキャンする」こと。何故そうするかというと、このあとの作業中、「自動選択ツール」を使用しやすくするため。低い解像度で白黒2値化するとドットの荒さ(ジャギ)が目立ってしまうが、最終的な画像サイズの数倍の大きさで白黒2値化して彩色の後縮小すればジャギは残らず奇麗なラインを再現出来るのである。 ちなみに今回の素材は、切り出して使っている部分だけに限って言うと、元絵の大きさは5センチ四方程度のサイズで描いてある。これを400dpiで取り込んだ結果、ピクセルサイズは800*780。顔だけでこのサイズである。大容量のメインメモリと、HDD上に十分なスワップ領域が必須。 |
実寸データ 20652byte |
レイヤーさえ解れば何も難しいことはない。まず今の画像モードを「モノクロ2階調」から「グレースケール」、更に「RGBカラー」(または「CYMKカラー」)にする。次に、背景レイヤーを複製する。複製したレイヤーをわかりやすい名前に変えておくと便利。俺は主線のレイヤー「line」としている。(以下もこの名前で呼ぶ) この状態で「自動選択ツール」を選び、どこでもいいから白い部分を選択する。この状態のまま、「選択範囲」→「近似色の選択」を選ぶ。これで主線以外の部分が選択出来ている。この部分をDELLTEキーで全削除。「line」レイヤーは丁度アニメのセル画の様に黒い部分だけが残り、それ以外の部分は下のレイヤーが透けてみえているようになる。試しに「背景」レイヤーを非表示にすれば、黒以外の部分が透けているのがはっきり解る。(参考:35834byte) 念のためこの状態のレイヤーの複製「line 2」を作っておく。普段は非表示で構わない。さらに「line」レイヤーの細かい修正を行う。あとで「自動選択ツール」を使うので、そのことも考えて色と色の境目になる線はきれいに区切っておいたほうがいい。 |
実寸データ 20338byte |
新たに「color」というレイヤーを(『line』レイヤーよりも下に)作成し、その上に色を置いていく。極端な話、あとでいくらでも色調整で変更が効くのでここは適当な色を置いていっても構わないのだが、全体の色のバランスを確認する意味で俺はきちんと塗っていくようにしている。 ちとややこしいが「line」レイヤーで同色になる部分をすべて選択しておいてから、「color」レイヤーで「塗りつぶし」をすると一度に広範囲を塗っていけるので便利。 仮塗りが終わったら、「color」レイヤーを複製して「mask」レイヤーをつくる。 |
実寸データ 24165byte |
実寸データ 20422byte |
ここからはパーツ単位での色塗りになっていく。レイヤーを行ったり来たりすることが多く、おまけに「削除」まで使うのでこまめにセーブしておいた方が良い。 俺は「オーバーレイ」が便利なので陰塗りにはよくこれを使っている。「color」レイヤーよりも上に新しいレイヤー、「paint」を作り、レイヤーの設定を「通常」から「オーバーレイ」に変更する。必要であれば不透明度も少々いじる。 はみ出すのは気にせず、ゴーカイにばっばっと塗っていく。この辺りは自分の好みで。「指先」ツールを使用して、ペンそのままの質感を無くすと良い感じになる。と俺は思う。 |
実寸データ 60628byte |
一通り塗りおわったら、不要な部分を削除する。 「mask」レイヤーを選択している状態で、「自動選択」ツールで顔の部分を選んでやるのだ。この時点では、「color」レイヤー上の「必要な部分」を選択していくようにする。この絵の場合、顔と首の部分には陰色を残してやりたいが、耳や髪の毛の部分には必要ないので、顔と首の部分のみを選んでいけば良いのである。(参考:71185byte ピンク色の部分は『選択されていない部分』である) 自動選択が終了したら、「paint」レイヤーに戻る。ここで「選択範囲の反転」(ショートカットは、Winなら『Shift』+『Ctrl』+『I』、Macなら多分『コマンド』+『Shift』+『I』)を行う。さっき自動選択した部分は「必要なところ」だから、それを反転させれば、選択されているところは当然「不要な部分」のみ。(参考:79921byte) 「paint」レイヤーを選択していることをもう一度確認してから、不要な部分を削除。 |
実寸データ 60044byte |
「paint」レイヤーは、削除作業が終わり次第「color」レイヤーと合成していくことをお勧めする。よほどメモリが余っているのならともかく、レイヤーの枚数が増えればそれだけデータ量が増加するわけで処理はどんどん重くなっていく。 ただし、合成する時は他のレイヤー(『line』や『mask』など)といっしょに合成しないように注意。 あとはもう、本塗り作業をひたすら繰り返していくだけである。 |
実寸データ 141610byte |