世の中の森羅万象あらゆる物事は見る人の立場によって如何様にも変わる。意識的に自己に有利になるように解釈する場合もあれば、無意識のうちに自己の関心のおもむくところのみに気をとられる場合もある。
コンピュータ化の影響
コンピュータ化が進むとどうなるかという命題に対して、ある経営学者は「情報の共有化が進むのでトップもボトムも同じ情報を手に入れることができる。したがって、上意下達をしているだけの中間管理職は不要になるだろう」と予言していた。同じ命題に対して、ある心理学者は「技能職は仕事が単純化され、やる気をなくすが、人間相手の職種は煩わしい事務作業から解放され益々やる気を出すだろう」と予言していた。
この場合は自己の関心がどこにあるかによって異なる例である。前者は鉈で薪を割る趣があり、後者は鑿でコツコツ形を仕上げてゆく趣がある。経営学では組織のダイナミックスを対象にするのに対し、心理学では組織を構成する人を対象にするからではなかろうか。
スタグフレーションの原因
不景気になり物が売れなくなれば物価が下がるのが古典経済学の常識であった。最近は不景気になっても物価がジリジリ上がる、いわゆるスタグレーションが当たり前になったのはなぜか。
ある経済学者は「本当の自由競争原理が働くのは、市場規模に比べて企業規模が無視できるほど小さい場合である。最近は企業規模が大きくなり、数社が談合すれば値引きを回避できるからである」と説明していた。
これに対する他分野の学者からの説明は、浅学につきまだ目にしていない。もし違う視点で説明がなされていたらさぞ面白い解釈ができるのではなかろうか。
ある銀行での経験
預金を引き出すためにある銀行に入った。25日だったらしくATMの前は長蛇の列だった。
窓口のほうを見たら空いていたので印鑑を使って引き出しの請求書を書いていたら、店内営業係とおぼしき中年の女性から「今度、総合口座という大変便利な制度ができました。是非切り替えてください」という趣旨の話を長々とされてしまった。早く済ませて電車に乗りたいと思っているときに、こう話し込まれるとかえって頭にくる。一言「5~6分宜しいですか」が欲しかった。多分あの女性の営業成績は悪いのではないかと一人で溜飲を下げたものである。
次に、引き出し請求書を持って窓口に行ったら、窓口嬢に開口一番「キャッシュカードをお持ちではありませんか」と言われてしまった。同じフロアにATMも並んでいるので長蛇の列であることが見えるはずなのに。この辺は臨機応変に対応を変えてもらいたいものである。
手続が終わり名前を呼ばれたので、現金と通帳を受け取りに窓口に行ったら、窓口嬢の脇に立っていた働き盛りの男性が通帳をパラパラめくりながら「当行で住宅ローンをお組ですね。最近は金利も安くなっているので変動性に切り替えたほうがお得ですよ」と親切そうにアドバイスしてくれた。
そんなことはとうに承知のこと「もう切り換えてあります」と言ったら、さらに通帳をパラパラ見て「当面使う予定のないご予算がありましたら期日指定定期に回したほうがお得ですよ」と来た。「子供の教育費と住宅ローンでそれどころじゃないですよ」とほうほうのていで窓口を離れた。
これなどは親切を装った営業活動なのだろうが、自分の通帳を隅から隅まで覗かれるのはあまり気持ちの良いものではない。多分、支店長からノルマが課せられていてどの行員も張り切らざるを得ないのだろうが、もうすこし相手の立場を考えてもらいたいものである。
女子高のトイレ
娘の学校の文化祭に行った。トイレに入ったらやけに小さい。しまった間違えたかと急いで飛び出して、もういちど入り口の表示を確認した。間違いなく男性の表示だった。
長年国鉄で生活してきたので、男性トイレは大きく女性トイレは小さい、と思い込んでいたための錯覚である。ここは女子高なんだと自分に言い聞かせて納得したものである。
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