2011年の元日に東京の富士塚巡りをした。京急の新馬場で降りて品川神社→JRの鶯谷で降りて小野照崎神社→西武池袋線の江古田で降りて浅間神社(茅原神社)→JR新宿で降りて成子天神→メトロの北参道で降りて鳩森神社をまわった。
品川神社
駅を降りると第一京浜国道を挟んで前方右手の山の上に溶岩を積み上げた富士塚が見える(写真01)。神社の入口はかなり急な階段(正面階段)である(写真02)。この階段を登って拝殿で神様を拝んでから少し引き返すと「富士登山道」と書いた道標が建っている(写真03)。登山道には何合目という道標が建っているが、入口がすでに五合目から始まるようになっている(写真04)。
写真01 溶岩で作られた富士塚(黄線)
写真02 品川神社の急な正面階段
写真03 富士登山道の道標
写真04 富士登山道五合目入口
正面階段の途中から頂上に登る道もあり、その登り口は(写真05)のようになっていて、より富士登山道の雰囲気を醸し出している。この道は一合目から始まるが、どういうわけか私が行ったときは通行禁止になっていた。頂上から正面階段と国道一号を見下ろすとかなりの高さがある(写真06)。今回廻った富士塚の中では最も富士山らしい富士塚である。
写真05 正面階段からの登山口(一合目)
写真06 頂上から見下ろした正面階段と国道一号
小野照崎神社
一番近い駅はメトロ日比谷線の入谷駅であるが、今回はJR山手線の鶯谷駅から歩いた。入口の鳥居には提灯飾りがついていて夏祭りのような雰囲気である(写真07)。まず入口で恒例の破魔矢を買う(写真08)。拝殿の左横にまわると「富士塚:浅間神社」の碑が建っているが入口は閉じられたままである(写真09)。
写真07 小野照崎神社の入口は夏祭りのよう
写真08 まず破魔矢を買う
写真09 富士塚と浅間神社の石碑
台東区教育委員会の建てた説明阪によると
「この富士塚は高さ約5メートル、直径16メートル。塚は富士山の溶岩で覆われ、東北側一部が欠損しているものの、原形がよく保存されている。原形保存状態が良好な塚は東京に少ないので、この塚は貴重である。昭和54年5月21日、国の重要有形民俗文化財に指定された」とのことである(写真10)。
そのためこの富士塚に登れるのは、本物の富士山の山開きの日(6月30日~7月1日)だけだそうである。
鶯谷からの道筋には江戸時代の店かと思わせる古い提灯屋さんもあった(写真11)。
写真10 小野照崎神社の富士塚
写真11 江戸時代を思わせる古風な提灯屋さん
江古田浅間神社(茅原浅間神社とも呼ばれる)
西武の江古田駅北口の直ぐ近くにある。神社入口(写真12)、富士塚登山道(写真13)。練馬区教育委員会の建てた説明板によると、天保10年(1839年)に築造されたものと考えられ、高さ約8メートル、直径約30メートル、関東大震災で一部破損したが、その後修復。塚全体が富士山の溶岩で覆われている。都内の富士塚の中では大規模な部類に属し(写真13)、頂上には唐破風屋根のついた石祠もあり(写真14)、国の重要有形民俗文化財に指定されている。
ここも登山できる日は正月三が日と富士山の山開きの日だけである。
写真12 江古田浅間神社入口
写真13 富士塚登山道
写真14 頂上の石祠
成子天神社
メトロ西新宿駅から西へ向かうと参道入口に達する。高層ビルの谷間にある感じの神社である(写真15)。拝殿の脇を通ってゆくと富士塚への登山口に達する。富士塚は狭い土地に無理やり溶岩を積み上げた感じで、裾野も情緒もない(写真16)。おかげで登山道はかなり急峻なので気を付けて登った方が良い(写真17)。頂上には木花咲耶姫命(このはなのさくやひめ)の像が建っているが、新しすぎて有難みがない(写真18)。
写真15 ビルの谷間にある成子天神の参道入口
写真16 無理やり溶岩を積み重ねた感じの富士塚
写真17 登山道はかなり急峻
写真18 頂上に立つ木花咲耶姫命の像
鳩森八幡神社
メトロ北参道駅からマンション群の中を500mほど歩いてゆくので、聞きながら行った方が良い。入口の鳥居(写真19)。厄除け茅の輪を3回潜って拝殿へ(写真20)。最近は神楽殿のある神社は少なくなったが、この神社には神楽殿もある(写真21)。いよいよ富士塚に登る。登山口の石碑には「千駄ヶ谷の富士塚」と書いてあった(写真22)。
東京都教育委員会の説明板によると、寛政元年(1789年)の築造と言われているとあるので、今回廻った中では一番古い富士塚である。富士塚の登山道はこのように富士山の溶岩で覆われている(写真23)。江戸時代に富士山から溶岩を運んでくるのも大変だったろう。
写真19 鳩森神社の入口
写真20 厄除けの茅の輪を潜って参拝
写真21 立派な神楽殿があった
写真22 千駄ヶ谷富士塚の登山口
写真23 富士塚の登山道
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