日本人のモラルの高さ

執筆時期不明

 昨夜家に帰ったら、銀行から「あなたのキャッシュカードがATMボックスで収得され当行に届いています」という親展の封書が届いていたのでびっくり。財布を調べてみたらキャッシュカードが無くなっているのに気がついた。

 今日、さっそく銀行に電話したら「最寄りの支店に取りに来ますか、それとも自宅あて送りましょうか」というので、「見付けてくれた人にお礼もしなければならないので、支店に伺って、見つけてくれた人の住所と名前もお聞きしたい」といったら、「収得したATMボックスのインターホンからの連絡だったので、その場でATMに入れて回収ボタンを押し てもらったので、ご本人のお名前や住所は聞いていません」とのこと。ATMにこういう機能も付いているとは知らなかった。届け出てくれた人もお礼など期待していなかったのでしょう。

 収得届け出の時刻は15時、私がそのATMボック スに行ったのは朝の9時半ごろなので、長時間にわたって、いろいろな人が置き忘れたキャッシュカードを見ているはずなのに、「そのうちあわてて取りに来るだろう」とそのままにしておいたのでしょう。日本人のモラルの高さが証明された感じです。外国ならとっくに無くなっていたことでしょう。

 以前、フランスから来たケイバー(洞窟探検家)を富士山に連れて行った時、五合目の食堂で昼飯を食べたが、食券売り場が長蛇の列なので、空いている席にザックを置いて席取りをしてから列に並んだ。しばらく並んでから後ろを見たら、そのケイバーが私の置いたザックを持って後ろについているのでびっくりした経験がある。彼から見れば、「荷物だけ置いて離れるなどもっての外」と思ったのだろう。「日本は安全だから大丈夫だ」と言っても、全く理解できないという感じだった。このことからも外国に比べて日本人のモラルの高さが分かる。

 2014年10月に竹書房から発行された本で「中国が愛する国、ニッポン」というのがある。中国の色々な Web に投稿された個人としての中国人の日本感を纏めたもので、見出しのいくつかを並べると、
・落し物が戻ってくる国、それは日本と北欧
・日本で車のクラックションを聞いたのは、たった一度
・ほとんど無料! 中国人観光客が感動したサービスとは
・5万円着服で解雇のニュースに驚く
・多くの人がまた訪れたいと思う日本の魅力とは

 などなどキリがない。
 この本を読むと、日本を訪れたことのある個々の中国人は日本人や日本社会の素晴らしさに驚いている。だから、本の表題は「中国人が愛する国、ニッポン」のほうが正確である。

 私も中国を一人で旅して、中国の庶民と膝付き合わせて話してきたが、中国人も一人一人は皆いいやつである。個人としての往来が活発になり、日本社会や日本人のことを知っている中国人が多くなれば国の洗脳も利かなくなるだろう。国としての中国は政治的立場もあるので、すぐには改善が期待できないが。
 キャッシュカードの話から思わぬ方向に話が進んでしまったが、日本人もなかなか捨てたもので はない。

 

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