2010年6月、強羅で一泊のクラス会が開かれたが、ありふれた温泉場で一泊するだけではあまりにも能が無いので、駒が岳ケーブルの廃線跡を登って、神山・早雲山経由で強羅に行くことにした。天候は、濃霧・小雨・強風と散々な日だった。
湯の花沢ホテルまでバスで入り、工事用の道路をケーブル山麓駅まで歩く。途中に3箇所、立入禁止の柵があったが乗り越えて進む。山麓駅(写真02)についたが今日は日曜日なのでレール撤去作業はしていないらしくひっそりしていた。山麓駅の階段はまだ撤去されずに残っていた。ここで雨具をつけた。
写真02 駒が岳ケーブルの看板
ケーブルの線間には撤去した資材を下におろすリフト用のH型鋼が取り付けられていた。H型鋼にはリフトを上下させるためのラックもついている(写真06)。
写真06 H型鋼に取り付けられたラック
線路わきに設けられた点検用のコンクリート階段を登る。階段には20段ごとぐらいに番号が書いてあった。この階段が延々と山頂駅までつづく。上部は霧に隠れて見えない。
しばらく登ると、行違い用のポイントの片割れ(写真10)や「行違中心」の標識も残っており面白い。行違い部分は低速運転をしていたと思わせる「低速走行終了地点」の標識も残っていた。
写真10 中間の行き違いポイント部(下側)
上部1/4ぐらいは既にレールと路盤を撤去してあり、その跡は土になっていた。レールとコンクリート路盤を撤去するには重機が必要なので、パワーショベルが一台、設置されていた(写真16)。
写真16 レール撤去用のパワーショベル
レールとコンクリート路盤を撤去して、土の山肌を出し、その上にゴザをかぶせてあったので、芝の種でもまいてあるのだろう(写真18)。自然に戻す涙ぐましい努力をしているのが分かった。
パワーショベルの腕が届く範囲の作業が終わる都度、重機を一段下に下げるのだろう。気が遠くなるような根気のいる作業だ。
写真18 土を出して植物の種をまきゴザをかける
いよいよ山頂駅跡が見えてきた(写真20)。思ったより簡単に濃霧の山頂駅着。もっとハードなコースかとおもっていた。標高差で300mぐらいしかないからだろう。点検用階段の最後の段は1628となっていた。
写真20 元の山頂駅跡
駒ケ岳の頂上は濃霧と強風で何も見えず。駒が岳ロープウエイ駅に入って昼食(写真 26)。今日は強風のためロープウエイも運休だが、職員は2人ほど上がってきていた。
写真26 霧に包まれた駒が岳ロープウエイ駅
濃霧のため神山に行く道を間違えないよう、細心の注意を払って道標を確かめながら進む。防ケ沢分岐前後の道は、ぬかるんで歩きにくい。
この悪天にもかかわらず合計10人ほどの登山者とすれ違った。何も展望のきかない神山、冠が岳を過ぎて大涌谷分岐で早雲山コースに入り、早雲山駅への下りに入る。そこで4人連れの家族グループにあった。えらい軽装なのに驚いた。
早雲山駅への下りに入ってすぐ、地面が上下に動いているので、一瞬、大地震でも起きたかと緊張した。よく見ると、斜面に生えた木が強風でゆすられるので、その根が張っている土が上下に動いていることが分かった。それほど強い風だ。つまらない下りコースをガタガタ下り、15:20早雲山駅前に出た。
今日のコースはずっと硫黄の臭いが漂っていた。ケーブル跡を登っているときは湯の花沢からの臭いが、神山から大涌谷分岐までは大涌谷からの臭いが、早雲山駅に下る道では早雲地獄からの硫黄の臭いが漂っていた。
トップページに戻る場合は、下の「トップページ」をクリック