青岩鍾乳洞(山梨県)

 2004年11月、あるケイビングクラブ主催の忘年ケイビングに参加した。参加者は13名。
 鳩ノ巣駅近くの町営駐車場に7時半集合。お祭りから後山林道に入り終点まで。ここから三条の湯まで良く整備された登山道を登る。30分で三条の湯についた。ここで代表者が三条の湯から青岩の鍵を借りる。付近の山の斜面は白樺が生え美しい。

 10:20、いよいよ青岩目指して出発。雲取コースと分かれるところまで30分ぐらい急坂が続く。ここから道は水平になり、温かい日差しの中を、落葉を踏んで進む。雲取分岐からの道はおおむね良く踏まれているので迷うところはない。

           写真01 青岩鍾乳洞への道

 11:40、青岩鍾乳洞着。洞口の少し手前の小さな平地で昼食。これだけの人数になると小さな平地は満員。ここでケイビングスーツに着替え、12:20いよいよ入洞開始。
 しばらくは、中腰で進むような狭い洞が続く。天井近くに昔の水流面を示す棚がある。今は棚を削って中腰で歩けるが、最初に入った人はここを匍匐前進したのだろう。木槌でたたくとボンボンと音がする鍾乳石もある。

 12:50、大広間着。ここから奥は川が流れている。この水は大広間から出口までは消えてしまうので、現在の主洞の下層に水の流れる穴があるのだろう。 鉄梯子で上層に上がり、上層を進む。このあたりから純白な鍾乳石になる。上層といっても下層とつながった狭い隙間なので、両岸に足をかけてトラバースしてゆく。誰も「怖い」と言い出す者はいない。みな岩場を楽しんでいるようだ(写真 02)。

         写真02 上層をトラバースして奥へ

 3mほどの小滝を登るところでは水流面まで降りる。いつか見たような記憶がする。そうだ、まだ独身だった頃もぐったときは、下層の水流面を四つん這いで進んだのだ。えらく天井が低く全身濡れたという記憶がある。ここは上層を選ぶべきだった(写真03)。

    写真03 下層を進んでしまった若い頃の写真

 13:40、大滝着。高さ20mほどの滝がドーと音を立てて落ちている。滝のしぶきでホール全体がミスト状。カメラを出してもレンズが濡れてしまい、ぼけた写真しかとれない。早々に青岩氷河への通路に進む。だんだんと純白な鍾乳石のオンパレードになり見応えがある。所々で下層の水流も見える。

 14:00、青岩氷河着。純白なムーンミルクが傾斜45度ほどの基岩の斜面を覆い、それは、それは美しい氷河になっている(写真04)。

            写真 04 青岩氷河

 この眺めだけでも、わざわざ青岩に来る価値がある。ここで全員そろって記念写真を撮り、次にメルヘンランドに進む。通路はますます白一色。大広間から奥は全く泥がない。したがって、長靴も滑らない。鍾乳石やフローストーンの流れた壁を快適に登ってゆくと、天井の高い空間が開け、そこがメルヘンランドで美しい(写真05)。

            写真05 メルヘンランド

 14:20、メルヘンランドを思う存分堪能して、いよいよ帰路に着いた。適当に降りたら水流まで足が届かない壁の上にでてしまったので、また上まで登ってやり直し。みな、それぞれのルートで水流に戻った。大広間で集合して人数を確認してから出口に向かう。

 15:10、青岩出口。その階段でまた記念撮影。これだけの人数を入れるとなると撮影者は崖の端に立たなければならない。見ていてハラハラする。昼食を食べた小さな平でケイビング装備を解き、あとは早いもの順に山道を下った。リーダーが殿で確認しながら下る。

 16:10、三条の湯着。もうかなり薄暗くなっていた。小屋の煙突から立ち上る薪の煙がいい雰囲気をだしていた(写真06)。

         写真06 三条の湯から昇る煙

 リーダーが鍵を返している間に、当方は寸暇を惜しんで、湯小屋の観察と撮影。温泉好きの当方としては見落とせない。皆にやや遅れて、駐車場への道を駆け下りる。道は良く整備されているので、もう真っ暗に近いが特に危険は感じない。10分ほどで仲間に追いついた。

 

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