(2023.5.31記)
9年ぶりに外国旅行する機会が突然沸き起こった。東京からパリを往復しただけだが、9年も英語を使っていなかったら、ごく易しい英単語が出てこない。忘れるのは早いものだと実感した旅になった。急用だったので、電話がかかってきた翌日の便に搭乗したが、6か月も前から発売しているチケットに比べると3倍ほどのお値段だった。
この9年の間に、空港での事務手続きが機械化され、昔は係員が仕事の一環としてやっていた、パスポートの読み取りや飛行経路の入力などは乗客が機械に入力する方式となっていた。80歳では、小さな字を見たり、操作方法が分からず難行苦行の連続だった。8:20発のJALに乗るため、家を6:00にタクシーで出発し、羽田の第3ターミナルには6:30に着いたのだが。何とか搭乗手続きと出国審査を終え、搭乗口に着いたときは出発20分前になっていた。
飛行機の中では何もやることがなく暇なので、座席の前にある画面に飛行経路とフライト情報を表示させて、パリに着くまで12時間以上も、ずっと見続けていた。その飛行経路が驚天動地だった(添付図参照)。メルカトール図法の地図に飛行経路を書き込んだので、北に行くほど長さが誇張されているのが玉に瑕だが。
東京→パリの飛行経路
①以前は、羽田→新潟→ハバロフスクと北上を続け、黒竜江を見下ろしながらシベリアの大平原に達し、フィンランド→バルト海→デンマーク→ドイツ→フランスという経路だったと思うのだが。
②今回は、羽田→千島列島→アリューシャン列島横断→ベーリング海峡→北極海→グリーンランドを北側から迂回→アイスランド→英国→パリの順ですすんだ。
グリーンランドとアイスランドの間の海域には流れ出た氷の板(氷山)がたくさん浮いていた。
パリ→東京の飛行経路
①以前は、パリ→ドイツ→バルト海→ロシア→大平原→バイカル湖→黒竜江→ハバロフスク→ウラジオストック→新潟→羽田という経路だったと思うのだが。
②今回は、パリ→ミュンヘン→ウイーン→ブカレスト→イスタンブール→アンカラ→トビリシ→カスピ海→カザフスタン→ウルムチ→西寧→太原→北京外周→渤海→韓国→鳥取県→琵琶湖→静岡県→大島→羽田だった。まるでシルクロードを旅しているようだった。
イスタンブールは不夜城のように大きな街の灯が広がっていたが、それをすぎたら、シルクロード沿いの町には明かりが一つも見えなかった。なかなか得難いコースが楽しめた。
なぜ、こんな変わったコースを取ったのか考えてみた。ロシアのウクライナ侵攻で、ロシアを非難する国々の飛行機のロシア領空通過をロシアが拒否したのではないか。
飛行情報
・行きも帰りも西から東に向かうコースだった。巡航速度を出す高度はどこも11800mぐらい。
・飛行機の対地速度と対気速度を比較すると、偏西風が強いのは中国西域からベーリング海峡の間。ヨーロッパは偏西風の影響が日本ほど強くない。
機種
・飛行機は行き(JAL)、帰り(ANA)だったがどちらもボーイング787。どの空港でも外国航空会社の機種を見てみたら、どこも同じ。この機種は人気機種らしい。数年前のボーイング767の悪評は挽回されたようだ。それに比べて、三菱重工はなぜ挽回できずに国産ジェット機を諦めてしまったのだろう。
東京→パリ→東京の飛行経路
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