1968年の羅臼岳(S43年)

ここも大雪山と同じフィルムに入っていたので、大雪山登山(1968年)と相前後して行ったものと思われる。2020年にその写真を見ながら、当時を思い出しつつ文章をまとめたものである。

バスで知床五胡まで入り(写真1)、そこを見物してから岩尾別まで戻り、岩尾別川に沿って歩いて岩尾別温泉まで行った。川には鮭が大挙して遡上していたので河口まで行って見たら、海から続々と鮭が登ってきていた(写真2)。

写真1(知床五胡:古いネガカラーからデジタル化すると黄色くなる)

写真2(岩尾別川:サケが遡上していた)

岩尾別温泉では登山者が利用する木の下小屋に泊まった。小屋はそんなに込んではいなかった。山小屋だが、ここも源泉かけ流しの白濁した湯が流れていた。コンクリートの湯船の脇に青大将と思われる大きな蛇の抜け殻があった。

翌日は5時ごろ出発し、結構急な道をぐいぐい登る。途中極楽平と言う平地を経て、羅臼平まで結構なアルバイトだ。3時間以上かかったと思う。そこから見上げる羅臼岳頂上までも急峻だ(写真3)。一休みしてから羅臼の頂上へ、もうひと踏ん張り。10時半頃やっと岩がゴツゴツした頂上に着いた(写真4)。ここで昼食を食べながら大休止。

写真3(羅臼平から見上げる羅臼岳)

写真4(羅臼岳頂上にて)

天気は上々で、オホーツクはよく見えるが、硫黄山の方向に雲があり、とうとう硫黄山は見えなかった。11時半ごろ羅臼に向けて下山開始。最初は大岩がゴロゴロした急な道を下る(写真5)。羅臼岳は成層火山ではなく溶岩ドームがせり上がって出来た火山なので傾斜は急である。次は屏風岩の下の長い雪渓を下る(写真6)。ここも傾斜がきついので、滑落しないよう細心の注意を払う。

写真5(羅臼の頂上付近は大岩がゴロゴロしている)

写真6(羅臼に下る途中の屏風岩の雪渓:滑落しないよう注意が必要)

「こんなに登ったかね」と言いたくなるほど下って、ようやく、羅臼温泉の間欠泉についた。間欠泉は15分ぐらいの間隔で10mちかく噴き上がっていた(写真7)(2016年に行ったときは、もうほとんど噴き上がっていなかった)。

写真7(羅臼の間欠泉)

次に、近くの熊の湯という露天風呂に入って、登山の汗を流してから、バスで標津まで出て、当時はまだ走っていた標津線で釧路へ。釧路から夜行列車で札幌に戻り、月曜日の勤務に就いた。若いときは元気だったんだね。今ではとても考えられない。

 

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