シャンパーニュをセスナで飛ぶ

 2013年8月、フランスの知人が操縦するセスナ機で、シャンパンで有名なシャンパーニュ地方を空から見物させてもらった。彼が所属する飛行クラブはパリ東郊外の民間飛行場にあり、この飛行場には飛行クラブが20ぐらいあるとのこと。それぞれのクラブが格納庫を持っていた(写真02)。建物のまわりの芝生の上を何か小動物が跳ねていた。良く確認できなかったがリスかウサギがいるらしい。

        写真02 各飛行クラブの格納庫

 フライト前に30分ぐらい知人が機体の点検をしていた。面白そうなのでこちらもついて回った。(写真04)。

        写真04 飛行前の機体点検

 飛行機の部位の専門用語になると英語で何と表現するのか分からないので、指でさしたり、身振りで表現して、最低限の意思疎通ができた。飛行機では水平尾翼とそのフラップが一番重要な役目をするそうだ。速度はピトー管で測っているとのこと。触ってみると機体の金属はブリキ程度の厚さでペコンペコンしていた。墜落したら一巻の終わりだな。

 いよいよ搭乗。操縦室は意外と狭い。知人と当方の2人が並んで座ると機体幅一杯だ。操縦者だけでなく、同乗者もレシーバーをつけて会話する。確かにエンジンがかかると機内はかなりの騒音だ。「同じ操縦桿が2つ付いているので操縦してもいいですよ」と知人は言うが、とても手を出そうという気にはならない。

 滑走路の半分ぐらいの距離で離陸。離陸すると小刻みの上下動が続く。セスナ機クラスになるとこんなに空気流の影響を受けるのか。知人も真剣に操縦している(写真06)。頻繁に地図を見たり機器の調整をしている。飛行機の操縦とは忙しいものだというのが実感。

       写真06 頻繁に地図や計器を見ながら操縦

 雲は底面が同じ高さに揃ったちぎれ雲があちこちに浮かんでいる(写真 08)。 知人によれば「良い飛行日和だ」とのこと。

          写真08 雲の底面が揃っている

 マルヌ川に沿って東へ飛ぶ。ブドウの名産地なので、ゆるく起伏して広がる畑はどこもブドウ畑だ(写真10)。

         写真 10 下界は一面のブドウ畑

 前方に風力発電機がずらりと並んでいるあたりで引き返すことになった。手持ちの高度計では高度1000m だった。知人に聞いたら操縦席の高度計で もほぼ1000mとなっているそうだ。
 帰りはできるだけマルヌ川の真上を飛んでもらった。途中に閘門式の堰(写真12)があったので、「あの上を旋回してくれ」と頼んだら、「人家の上は飛行できない」とのことでかなり大回りの旋回となった。それでも当方のサイドから堰が見下ろせる ようにバンクして旋回してくれた。

         写真12 閘門のある堰の上を旋回

 飛行場の上空に戻り、何の不安も感じずに着陸。約1時間のフライトが終わった。面白かった。アマ チュア飛行士のライセンスでも20時間/月、実フライトがないと免許停止になるそうだ。結構厳しい条件だ。 最後は飛行機を格納庫(写真14)に入れるところまでやったが、セスナ機クラスだと案外軽い力で動かせることに驚いた(写真16)。最後に飛行記録をつけておしまい。

      写真14 格納庫への飛行機のしまい方

     写真16 セスナ機クラスなら軽々と動かせる

 フライトの後、飛行場近くの野っ原の中のレストランで食事。「こんなところにレストランを出して食べに来る人がいるのかね」と知人に聞いたら、 「近くに工場が進出してきたから結構利用客はあるようだ」という。工場も遠くに見えることは見えるがとても歩ける距離ではない。ということは、昼食も自動車で食べに来るということか。日本とは大分感覚が違うな。



トップページに戻る場合は下の「トップページ」をクリック